深川栄洋「キャリアをリセットしようと」
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「40歳になると指導者として見られるのか、ヤバイなと」(深川栄洋)
──実際にやってみていかがでした。一緒に映画をつくる勘みたいなものは取り戻せましたか?
ダメでしたね(笑)。もうはっきりと世代が分かれてました。『半分の…』を作ったときは、主演の池松壮亮くんも忽那汐里さんも僕を兄ぐらいに認識していて、こちらもそういう接し方をして、一緒にいろいろ考え、まだ彼らが人生で経験していないことを僕が語って、芝居の参考にしてもらうといった感じだったのですが、今回の主演の野村周平くん、黒島結菜さん、平祐奈さんはもう、始めから僕のことをオジサンとして見ていましたから(笑)。特に黒島さん、平さんはそうでしたね。
──それは映画を作るという点において、どういう意味を持つのでしょうか?
一緒に考えるというよりも、僕からなにか言われるのを待つと言うか、指導させるみたいな感じになってましたね。僕も、「そうか、40歳になると指導者として見られるのか」と改めて思い、ちょっとヤバイなって(笑)。
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──それはもう仕方ないのかもしれませんね(笑)。野村さんはいかがでした?
彼は、年齢も彼女たちより少し上なので、彼女たちと僕の間に入ってくれる感じでしたね。僕の言うことをいろいろ調整してくれたりして。でも、彼はほかの出演者よりも天真爛漫なところもあって、撮影の合い間に突然、僕の膝の上に乗っかってきたりするんですよ。そんな俳優はこれまでいませんでしたね(笑)。「監督、なにやってんの~?」みたいに訊いてきたり。「いや、仕事してるんだよ」って僕も答えて。
──小学生かっていう…(笑)。
おそらく、そんなことをして彼は、この監督にはどこまでやって大丈夫かっていうのを計っていたような気がします。そして、それをほかの出演者たちにも示そうとしていたんでしょうね。でも、ほかの人たちは「そうか、この監督はあそこまでやってもいいんだ」とは思っても、「あんなこと、野村くんじゃなきゃできない」という目で見てましたけどね(笑)。
──出演者の座長としての行動になってなかったと(笑)。
いや、彼は頭もいいし、勘もいい人ですから、こちらの意図することを早く正確に察知してくれるところがあって、それは助かりました。彼は自分がすべきことがわかると、あとは自分で考えさせてくれっていうタイプの俳優さんで、それをほかの俳優の前でみせるので、それはいい影響を与えていたように思います。
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──黒島結菜さん、平祐奈さんは?
これからどんどん伸びる女優さんでしょうね。黒島さんは役柄上、最初は声が小さくて、実は録音部が困ってたんです。それで彼女に「雰囲気だけの芝居をしてたらダメだよ」って伝えたんです。そしたら「えっ・・・?」ていう顔をした。そこで、かつて加賀まりこさんも声が小さいと、橋本文雄っていう大ベテランの録音技師さんから注意されたことがあって、加賀さんもその時は生意気盛りだったんで放っておいたと。そのあと、しばらく仕事を休んだ後に舞台で復帰しようとしたら、そこで初めて自分の声が出てないことがわかって恥ずかしくなり、劇団の研究生になって2年間勉強したそうです。
──あの加賀まりこさんが?
そうです。それで再び橋本さんに会ったら「まりちゃん、(録音機の)針が振れてるよ(ちゃんと声が出てるよ)」って言われてすごくうれしかったと。そんな話をしたら「わかりました」と。ああ、俳優を育てるっていうのはこういうことかと思いました(笑)。平さんはとても不思議な雰囲気を持っていて、芝居をさせるとできるんだけど、役に入り込むタイプではないんですね。でも、それが面白い効果を生んでいて、今回演じてもらった役にはピッタリだった。しっかりした芝居が必要なシーンでは、丁寧に説明し、時間をかけて芝居をつくりました。悪い意味でなく、素材として面白い女優さんですね。
──今回の作品はSFサスペンス的な部分と、若い出演者たちの青春会話劇的な部分があります。会話のシーンは、バストショットの切り返しでつなぐなどわかりやすい演出をしてますよね。
変則的なカメラワークなど映画的な面白さよりは、観ている人が芝居に入り込みやすい画面を心がけました。出演者と同じ世代の観客にいろいろと考えてほしかったですから。今回は若い俳優たちの言葉や考え方を借りて、そこにちょこっとそういうオジサンの気持ちを入れさせてもらった、という作品ですね(笑)。
映画『サクラダリセット 前篇/後篇』
前篇=2017年3月25日(土)公開、後篇=5月13日(土)公開
監督・脚本:深川栄洋
出演:野村周平、黒島結菜、平 祐奈、健太郎、玉城ティナ、恒松祐里、ほか
配給:ショウゲート
TOHOシネマズ 梅田ほかで上映
© 2017映画「サクラダリセット」製作委員会
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