レミゼ30周年に福井晶一「損させない」

2017.4.12 08:00

「音楽に身をゆだねれば、ちゃんと伝わる。特別なことをしなくても、その時の感情を表現できる」と福井

(写真2枚)

日本初演から、今年で30周年を迎えるミュージカル『レ・ミゼラブル』。19世紀のパリを舞台に、貧困と不平等のなかで懸命に生きる人々の姿を、全編歌だけで描ききった傑作だ。2013年から主役のジャン・バルジャンを演じるミュージカル俳優・福井晶一が、大阪で会見をおこなった。

福井はバルジャンについて、「聖人のように言われるけど、人より力持ちで普通のやさしい人間。飢えや貧困に苦しみあえぐ時代が、彼をモンスターに変えてしまった。そんなバルジャンが司教に出会って改心してから、彼の人生が劇的に変わる所が一番の魅力です」と語る。

同役は日本・韓国で活躍するヤン・ジュンモと、福井が「劇団四季」在籍中の後輩・吉原光夫とのトリプルキャスト。「ギスギスしてると思われそうですが(笑)、僕たちはすごく仲良しでお互いに刺激を受けている」という。「ジュンモはクリスチャンなので(作品の根底にある)神の存在をすごく感じさせるし、吉原くんは自分で演出もするから、作品や役のとらえ方が勉強になる。僕の一番強みは、日本語の歌詞をしっかり伝える力。言葉がお客さまに伝わらないと、作品の内容も感動も伝わらないので、それが100%できるようにしたいです」。

「大阪のお客さんはあたたかい。元気をもらえます」と福井
「大阪のお客さんはあたたかい。元気をもらえます」と福井

福井は2013年にはバルジャンと同時に、彼を執拗に追う刑事・ジャベールも日替わりで演じた。実は「もともと僕はジャベールがやりたかったんです。屈折してるけど、男として魅力的。両方の役を演じたことで、2人はコインの裏と表であり、だからこそ互いの気持ちがわかる瞬間がある。バルジャンを演じる上でもためになる発見が多かったですね。でもチャンスがあれば、ジャベールをもう1回やりたいです(笑)」。

最後には「(2012年の)映画に合わせた演出もあるので、映画を観た人には入りやすいかも。オーケストラの素晴らしさなど生の臨場感は違うので、(チケット代は)お高いかもしれませんが、絶対に損をさせない自信はあります」と力強く宣言した。大阪公演は9月2日~15日に「フェスティバルホール」(大阪市北区)で上演。

取材・文/吉永美和子

ミュージカル『レ・ミゼラブル』

日程:2017年9月2日(土)〜15日(金)
会場:フェスティバルホール(大阪市北区中之島2-3-18)
料金:S席14000円、A席9000円、B席5500円
※未就学児入場不可
電話:06-6377-3800(梅田芸術劇場)
チケットは2017年6月3日(土)に発売

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