永瀬正敏「すべての人へのラブレター」

2017.6.5 12:00

映画『光』の舞台挨拶に登場した主演の永瀬正敏(左)と河瀬直美監督(3日・大阪市内)

(写真3枚)

先日の『カンヌ国際映画祭』でエキュメニカル審査員賞を受賞した映画『光』。その舞台挨拶が3日、大阪市内でおこなわれ、監督・演出・編集を手掛けた河瀬直美監督と主人公・雅哉役の永瀬正敏が登壇。受賞直後の心境や本映画にかける思いを熱く語った。

本作品制作のきっかけは、河瀬監督が前作の『あん』で視覚障害者向けの音声制作会社の人たちから映画への愛を感じたから。視力を失っていく雅哉と、視覚障がい者向けに映画音声ガイドを制作する美佐子のラブストーリーになっている。満場一致で「エキュメカル審査員賞」を受賞となった本作品。受賞の第一報を聞いたのは永瀬だったそう。

会場にはエキストラとして出演した人も多く来場。それに気づいた河瀬監督は、終始温かい目線を送っていた(3日・大阪市内)
会場にはエキストラとして出演した人も多く来場。それに気づいた河瀬監督は、終始温かい目線を送っていた(3日・大阪市内)

そのとき、「香水で有名な町でリゾート気分を楽しんでいました」という河瀬監督。「最高賞のパルム・ドール発表のときには会場から『ルミエール(光)!』と声が上がり、見てくださった人々に何かを残せたと思う。本当に最高でした」と、感慨深くその瞬間をふり返った。

謙虚な言葉づかいで映画『光』について語った永瀬正敏。カンヌでは街行く人が映画の感動を伝えてくれたという(3日・大阪市内)
謙虚な言葉づかいで映画『光』について語った永瀬正敏。カンヌでは街行く人が映画の感動を伝えてくれたという(3日・大阪市内)

劇中、子どもと遊ぶ雅哉の表情のあたたかさ、憂いさを見た美佐子が心を惹かれるシーンが印象的な本作。「この映画は特定の人だけでなく、生きているすべての人に対するラブレター。その理由を劇場に来て知ってほしい」と力強く語った永瀬。映画は、梅田ブルク7ほかで上映中。

取材・文・写真/岡田由佳子

映画『光』

2017年5月27日(土)公開
監督:河瀬直美
出演:永瀬正敏、水崎綾女、白川和子、藤竜也
配給:キノフィルムズ、木下グループ
梅田ブルク7ほかで上映
© 2017“RADIANCE”FILM PARTNERS/KINOSHITA, COMME DES CINEMAS, KUMIE

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