声優も驚いたヒット、ヒミツは応援上映

2017.6.13 07:00

劇場版「KING OF PRISM –PRIDE the HERO-」 (C)T2A/S/API/T/KPH

(写真5枚)

「応援上映」というものをご存じだろうか? 『シンゴジラ』や『HiGH&LOW THE MOVIE』、最近では『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』や『帝一の國』などでも実施され、少しは耳にしたことがあるかもしれない。コスプレやサイリウム、フラッグの持ち込みや、声援、唱和、ツッコミOKとされている観賞スタイルのことで、このブームの火付け役となったのが、昨年1月に公開された劇場アニメ作品『KING OF PRISM』(通称・キンプリ)だ。

キンプリの応援上映は「映画館で楽しむアイドルのコンサート」のようなものだが、体験していない人にとっては「それが一体どんなものなのか、なにがおもしろいのか?」と、理解の範疇を超える未知の世界。ここまで人々を熱中させたワケは一体何なのか。キンプリでキャラクターの声を担当している、声優の畠中祐(香賀美タイガ役)と八代拓(十王院カケル役)のインタビュー、そしてファンの声から、応援上映、そしてこの作品の魅力について考えていく。

「応援上映」を前提に作られた「キンプリ」

ボーイズユニット・Over The Rainbowらが、女の子をもっともトキめかせる「プリズムキング」を目指してさまざまな試練や困難に立ち向かっていくというストーリーの作品。作中ではダンスバトルやライブシーンが多く、観客は、サイリウムを振りながら登場キャラクターを「応援」していく。また、合いの手を入れやすい間が設けられていたり、なかにはテロップが表示されて観客が「はい、ア~ン!」などアフレコできる場面もあり、この作品は観客がいなければ成り立たないといっても過言ではない。ここまで応援上映が浸透していなかった当時、声優はどう台本の意味を理解し、作品と向き合ってきたのだろうか。

前作での応援上映のようす(梅田ブルク7)
前作での応援上映のようす(梅田ブルク7)。キングブレードというサイリウムを振る観客

「ト書きだったりセリフだけだと理解できない部分が多くて、これは一体なにが起こってるんだろう、何をもってこのセリフを喋ってるんだろうと、自分の理解を超えてくる部分が多くて(笑)。最初はやっぱり戸惑いましたね」(八代)。「菱田監督が、何事も5歩先をいく方だと思ってて。だからト書きを読んでて『なんだ、腹筋で受け止めるって?』『なんだ、龍が降りてくるようにって?』という感じで、どうなるのかなんて微塵もわからなかったです。でも本編を見たときに、すべてが合致した気持ちよさっていうのが味わえたんですよね。はっ、菱田監督が描きたかった熱量はこれか!と」(畠中)。

左から、畠中祐(香賀美タイガ役)と八代拓(十王院カケル役)
左から、畠中祐(香賀美タイガ役)と八代拓(十王院カケル役)

『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』

2017年6月10日(土)公開
監督:菱田正和
配給:エイベックス・ピクチャーズ
梅田ブルク7ほかで上映
(c)T-ARTS / syn Sophia / エイベックス・ピクチャーズ / タツノコプロ / キングオブプリズム PH 製作委員会

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