京都で、エリック・カールの絵本展

2017.7.31 16:00

『はらぺこあおむし』別案原画、1984年、エリック・カール絵本美術館 ©1969 and 1987 Eric Carle

(写真3枚)

『はらぺこあおむし』(1969年)で有名な絵本作家、エリック・カールの展覧会が、7月29日から「美術館「えき」KYOTO」(京都市下京区)でおこなわれています。

エリック・カールは、1925年にニューヨークで、ドイツ人の両親のもとに生まれました。6歳の時に家族でドイツに移住し、16歳でシュトゥットガルト州立芸術アカデミーに入学、グラフィックデザインを学びます。卒業後はドイツでの活動を経てニューヨークに戻り、絵本作家レオ・レオニの紹介でニューヨーク・タイムズのグラフィックデザイナーとして勤務。その後フリーになり、子ども向けテキストの挿絵を担当したのを機に、絵本作家になりました。『はらぺこあおむし』のほか、『1.2.3.どうぶつえんへ』(1968年)、『パパ、お月さまとって!』(1986年)などの代表作があります。

『パパ、お月さまとって!』最終原画、1985年、エリック・カール絵本美術館 ©1986 Eric Carle
『パパ、お月さまとって!』最終原画、1985年、エリック・カール絵本美術館 ©1986 Eric Carle

彼の作品の最大の特徴は、そのカラフルな色彩感覚でしょう。ニスで下塗りした薄紙に着色して色紙を作り、それらを切り抜いて貼り付けていくコラージュを用いています。この手法により、紙に着色するよりも軽やかで発色が良く、透明感のある独自の世界を確立したのです。

『とうさんは タツノオトシゴ』最終原画、2003年、エリック・カール絵本美術館 ©2004 Eric Carle
『とうさんは タツノオトシゴ』最終原画、2003年、エリック・カール絵本美術館 ©2004 Eric Carle

本展では、動物、旅、家族など4つのテーマで約130点のエリック・カールの世界を展観するほか、彼自身の生い立ち、初期作品、舞台美術など、絵本以外のテーマにも迫ります。また、絵本や本展限定のオリジナルグッズなど、物販が充実しているのもうれしいところ。子どもから大人まであらゆる世代に愛されている絵本ワールドを楽しんでください。

文/小吹隆文(美術ライター)

『エリック・カール展  絵とともに、あゆんだ道。』

期間:2017年7月29日(土)〜8月27日(日)
時間:10:00〜20:00 ※入館は19:30まで 会期中無休
会場:美術館「えき」KYOTO(京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町
ジェイアール京都伊勢丹7F隣接)
料金:一般800円、大高生600円、中小生400円
電話:075-352-1111(ジェイアール京都伊勢丹大代表)

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本