4DXを上回る臨場感、京都の劇団が新作

2017.9.4 21:00

会見に登壇したヨーロッパ企画のメンバーら出演者。前列左より上田、客演の金丸慎太郎、川面千晶、木下出、菅原永二

(写真4枚)

昨年上演した『来てけつかるべき新世界』で、主宰の上田誠が『第61回 岸田國士戯曲賞』を受賞した、京都を拠点に活動する劇団「ヨーロッパ企画」。彼らの新作『出てこようとしてるトロンプルイユ』が、9月から全国11カ所で上演される。劇団員ら出演者が大阪市内で記者会見を行った。

演劇界も注目する新作は、20世紀前半のパリを舞台に、『だまし絵』をめぐるコメディ。上田は、「トロンプルイユとは、フランス語でだまし絵を意味する言葉。いろんな芸術が集まるなかで、当時は、芸術の最先端をいく人たちから色モノ的な扱いをされたりしたこともあったと思うんです。そういった不遇のトロンプルイユ画家や、彼らを取り巻く周りの人たちのお話を作りたいと思っています」と話す。

会見では、劇団員によるプレゼンタイムも設けられ、今作の見どころとなるであろうポイントを、劇団員の石田剛太、永野宗典らが発表した。なかでも、宣伝チラシの絵を手掛けている角田貴志は、舞台上に出てくるだまし絵も監修。見どころは、「出てきすぎるトロンプルイユ」だと語り、「物量も、出てくる距離も、あらゆる意味で出てきすぎている。4DXを上回るくらいの臨場感。それくらい迫力のあるトロンプルイユが見られるんじゃないかと思います!」と力を込めた。

スケッチブックにイラストを描き、見どころをプレゼンする角田
スケッチブックにイラストを描き、見どころをプレゼンする角田

上田も「出る距離は結構重要なので、これはちょっと期待していただきたい。出てくるはずのないだまし絵から何かが出てくるのか、あるいは出てこないけどそう見えるのか、という辺りが今回の焦点になると思います」と見どころを語った。関西公演は、「京都府立文化芸術会館」(京都市上京区)で10月6日〜9日、「ABCホール」(大阪市福島区)で11月1日〜8日に開催される(チケットは各プレイガイドで発売中)。

取材・文・写真/黒石悦子

『出てこようとしてるトロンプルイユ』

日程:2017年10月6日(金)〜9日(祝・月)
会場:京都府立文化芸術会館(京都市上京区河原町通広小路下ル)
料金:前売3500円、当日4000円、学生(前売のみ)2000円

日程:2017年11月1日(水)〜8日(水)
会場:ABCホール(大阪市福島区福島1-1-30)
料金:前売4500円、当日5000円、学生(前売のみ)3000円

電話:06-6357-4400(サウンドクリエーター)

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