富野由悠季「もっと色っぽく…」と後悔

2017.9.7 13:00

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』上映会に登場した、富野由悠季監督(2日・奈良市内)

(写真3枚)

2年に1度、奈良市で開催される『なら国際映画祭』。そのプレイベントが9月2日・3日に「ならまちセンター」(奈良市東寺林町)で開催され、ガンダムシリーズの生みの親・富野由悠季監督が2日に登場、トークをおこなった。

今回のプレイベントで上映されたのは、1988年公開当時と同じ35mmフィルムによる『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。公開後、初めて同作を全編通しで観たという富野監督は、「分かりにくい話で申し訳ありませんでした」と上映後に観客に陳謝、その後は富野監督と観客によるQ&Aコーナーが設けられ、会場に詰めかけたファンが次々と挙手。約30年ぶりに観た同作への感想や質問などを富野監督にぶつけた。

同作の制作にあたり、「ロボット戦闘ものにしない」ことを念頭に置いたという富野監督。心がけたことのひとつとして、アムロ・レイやシャア・アズナブルのパートナーとなる3人のヒロインをしっかり描くことを挙げた。「映画というのは、男女の関係を描く低俗なものであるべき。だからメインキャラの恋愛を描こうとしたが、今見返すと、もっと色っぽく作れたはず」と語り、劇中でチェーン・アギがアムロの膝の上に座るシーンについても、「良い感じに描けたけど、お前らもっとあの後(色っぽいことが)あっただろ!」と会場を沸かした。

観客から寄せられた質問にひとつひとつ律儀に答えた富野由悠季監督(2日・奈良市内)

「もし新作を作るなら、もっと恋愛をしっかり描きたいし、後進にも恋愛を描いたロボット映画を作って欲しい」と、今後の活動に関しても精力的な富野監督。その言葉に会場からは熱い拍手を送られた。『なら国際映画祭』は2018年9月の開催に向け、今後もさまざまな上映会を奈良県下で実施する予定だという。

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