日本の自転車を支える、大阪アラヤの魅力

2017.9.10 08:00

「新家工業」は現在、自社ブランド「アラヤ」と英・ラレー社のブランド「ラレー」、「ポリゴン」の3ブランドを展開

(写真3枚)

新作展示会を9月5日・6日に開催した、「日本の自転車」を作る老舗自転車部品メーカー「新家工業」(大阪市・中央区)。歴戦の自転車として人気の「ツバメ自転車」からはじまり、現在は自社ブランド「アラヤ」と英国ブランド「ラレー」を展開する「新家工業」を訪問。自転車ファンが一目置く「アラヤ」の魅力に迫った。

同社は自転車業界の中でも特に「堅実で高品質」という日本のものづくりの軸をしっかりと持っている。創業以来114年経過し、自転車業界は次々と新しい企業も参入し世代交代が進むがその軸は、今も変わっていない。そして、長い歴史のなかで「日本初」を多く展開してきた同社。それは1903年の創業時に製造販売した木製自転車リム。リムとは車輪のタイヤがついている丸い部分で、英国「ラレー」の技術を持ち帰り、1914年から製造を開始した鉄製リムも日本初であった。

長年付き合いのある販売店さんに、新作自転車の説明をする西木主任補(右)

その技術を背景に、1946年に日本の高品質自転車を代表する「ツバメ自転車」を発売。以降、折り畳み自転車や小径車、軽快車、どれをとっても価格よりも品質を重視し技術を磨いた。また、1982年に発売されたマウンテンバイク(以下:MTB)の名車「マディフォックス」は、日本で初めて生産されたMTBであった。当然、MTB用に専用設計されたリムもいち早く開発をしており、MTB発祥の地であるアメリカの、世界初の量産型MTB「スタンプジャンパー」にも、多くのアラヤリムを提供してきた。

左から、新家工業輪界営業部の煤田主任、自転車愛の深さで有名な内藤取締役、輪界営業部西木主任補

そんななか、新たな世代として設計を担当する煤田主任は、「創業以来、常に良い自転車を求めて、極めています。日本の風土にあう素材と日本人に合う規格で自転車を完成させる。その志を引き継いでいきたい」と力強く語る。大阪が誇る「新家工業」は今後も、あらゆる人々に愛される自転車を提案していく。

取材・文・写真/岡田由佳子

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