葵わかな「京ことばに助けられた」

2017.11.19 08:00
(写真4枚)

映画『陽だまりの彼女』(2013年)でヒロインの中学時代を演じて注目を集め、数々の映画やドラマで活躍する女優・葵わかな。現在放送中の連続テレビ小説『わろてんか』(NHK総合)ではヒロインに抜擢され、笑いをビジネスとする波瀾万丈の女性を演じている。そのヒロイン・てんを演じる葵に、評論家・ミルクマン斉藤が直撃した。

取材・文/ミルクマン斉藤 写真/コーダマサヒロ

「自分でやりやすい方法を見つけた」(葵わかな)

──京都で2年がかりで撮影されたという小林啓一監督の『逆光の頃』が今年公開されましたね。本当に美しい映画ですけど、正直な話、京都弁の上手さは京都人である僕が聴いて、葵わかなさんがダントツでした。

「やった~!」

──とても神奈川出身とは思えない。完璧です!

「うれしいです!! (笑)」

映画『逆光の頃』より (C)タナカカツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン

──あの映画の撮影って、『わろてんか』のオーディションの前ですよね?

「そうです。まだ受けてなかったです」

──ドラマ1週目に出られた『土曜スタジオパーク』(NHK)を拝見したんですよ(このインタビューは第5週終了日)。あの番組でわかなさんの方言習得法が紹介されてましたよね。京ことば指導の先生にくちづてされたイントネーションを、音程の上下を示す簡易楽譜みたいなのを書いて覚える。あれは自分で編み出されたんですか?

「そうです。どうメモしたら台本を見たときに思い出しやすいかと考えて。ああいう風に『とんとんとんとん とんとんとん』とか『とんとん とんとんとん』(と台詞ごとに音程の変移を左から右へポイントで図示していく)と書くのが分かりやすいかなと思ってやってます」

──いや、これは分かりやすいと思いました。音の上がり下がりが微妙なニュアンスまでちゃんと書いてられて。『逆光の頃』のときもああやって覚えられたんですか?

「『逆光の頃』では、ただただひたすらに復唱するという感じで。まだこのやり方ではなかったんです。でも、その時にどうしたら京都弁らしく聞こえるかとか、京都と東京のことばの違いは何なのかを方言指導の先生と話したり、肌で感じたりしていたので、そういう意味では『わろてんか』のスタートの時点で自分のなかにちょっと蓄積がありました。たぶんあの経験から、もっと自分でやりやすい方法を見つけた方がいいと考えたんでしょうね」

→ 葵わかなが「京都弁の言葉遣いに助けられた」という理由へ続く

連続テレビ小説『わろてんか』
日程:2017年10月2日(月)〜2018年3月31日(土)

映画『逆光の頃』
2017年7月8日(土)公開(関西は11月4日〜)
監督:小林啓一
出演:高杉真宙、葵わかな、清水尋也、ほか
配給:SPOTTED PRODUCTIONS

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