映画『覆面ノイズ』で主演、中条あやみ「歌が一番大変だった」

2017.11.25 20:00

劇中では歌うシーンのため、ボイトレに通ったという中条あやみ

(写真5枚)

突然姿を消した幼なじみに思いを届けるため歌い続けるニノと、彼女を想って楽曲を書き続ける青年・ユズ。そして、なぜかニノを拒絶し続ける幼なじみのモモ。ピュアゆえに不器用な登場人物それぞれの思いが交錯する、福山リョウコ原作の人気少女コミック『覆面系ノイズ』が映画化。ヒロイン・ニノを演じるのは、大阪出身、今や人気モデル、女優として活躍する中条あやみ。そんな彼女に話を訊いた。

取材・文/ミルクマン斉藤 写真/木村正史

「え、そんな操られてたんだって(笑)」(中条あやみ)

──今回の作品、とにかく中条さんのどアップが多いですよね(笑)。

そうですね(笑)。寂しい表情とか、ハッとした表情とか、わたしの表情で次のシーンを想像させるところがすごく多くて。台詞がいっぱいあるというわけではなく、そのぶん歌や表情で物語る、っていうのはあったかもしれないですね。

──例えば、エレベーターまでモモ(古関裕太)を追いかけていく。その過程の中条さんの長い肢体の運動がそもそも映画的なんですけど、そのあと正面からの表情のアップで攻めるみたいな。それがこの映画は効いていたと思うんですよ。

迫力がありましたね、大画面だからこその。

映画『覆面系ノイズ』© 2017「覆面系ノイズ」製作委員会

──中条さんが演じるニノこそがこの物語を引っ張っていっているというのがはっきりしたシーンだと思います。三木康一郎監督の愛情も感じられますし。

三木監督は、普段はぶっきらぼうというか、あまり話すことはないんです。演技でも「ここどうでしたか」って聞いたら、「あなたが良いんなら良いんじゃない?」と。なんか任せるようなスタイルなんですけど、でもこだわりのポイントはしっかりあるんです。ニノちゃんのまっすぐさというか天然さを、やらしい感じではなく本当におっちょこちょいに見えるようにこだわっていらっしゃいました。

──じゃあ、けっこう和やかな感じで現場は進んでいったんですね。

いやいや、撮影中の監督は厳しくて、わたし的には怖いな、とずっと思ってたんです。でも最近の取材で、「ニノの不安感とか、どうしたらいいのかわからない迷いとかを出させたいから、わざと怖くしていた、不安にさせておいた」みたいなことを監督がおっしゃっていたみたいで。「え、そんな操られてたんだ」って思って(笑)。

──してやられた、みたいな(笑)。

もお、そんなの要らないよって。怖かった(笑)。

監督の不安を煽る演出に「もう、そんなの要らない」と笑顔で振りかえる中条あやみ

──最後に渡辺大さんが「めんどくさいガキどもだなぁ」って呟くんですが、この映画の登場人物って本当に面倒くさいんですよね、大人から見れば(笑)。そこがこの映画の面白さでもあるんですが。とりわけニノは、直情的でかなり無神経とも捉えられかねない役柄で。

なんか感情型ですよね。でも、高校生の頃ってその世界がすべてというか、「学校のなかの世界がすべて」だから。真っ直ぐというか、それしか見えなくなってしまってるというのもあるんですね。私は天然ではないんだけど、ニノの気持ちになるとそれしか見えなくなってくるんです。だから自分から寄り添っていったという感じの役の入り方でした。

──実はユズ(志尊淳)とモモとの間で想いが交錯しますが、中条さん本人としてはどちらがタイプですか?

え~・・・、やっぱり普通で言うとユズですよね。モモだけを思い続けて周りが見えないニノの気持ちもわかるんですけど、ユズは無償の愛っていうか、見返りを求めてない。どう考えても幸せになれるのはこっちかな、ってみんな思うんじゃないかな。でも、映画ではあまり描いてないんですけど、モモには家庭の事情とかいろいろディープなところがあるんで、意外にセンシティブなのはモモのほうなのかも知れない。

映画『覆面系ノイズ』

2017年11月25日(土)公開
監督:三木康一郎
出演:中条あやみ、志尊淳、小関裕太、真野恵里菜、磯村勇人、ほか
配給:松竹

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