平成生まれは、なぜ昭和に憧れるのか?

プププランド(左から谷、西村)とThe Songbards(左から上野、松原)はともに神戸を中心に活動(撮影場所:乙仲角OTSUNAKA CORNER)
「周りの大人によく、『古い音楽が好きなんだね。僕らは好きだけど、今の時代じゃ売れないと思う』って言われる」と話すのは、神戸を中心に活動するバンド・プププランド。彼らのような若手バンドのなかには、吉田拓郎や長渕剛、チューリップなど、60~70年代のフォークに大きく影響を受けているものがいる。
今年3月に結成されたばかりのバンド・The Songbards(ソングバーズ)も新曲にその影響を受ける。40〜50代にとっては、若いバンドが「フォーク(=古いイメージ)」をするなんてと疑問に思うかもしれない。なぜ彼らは、ロックやヒップホップではなく、昭和のフォークに憧れるのだろうか?
「僕たちからすれば、スマートフォンでいろんな音楽に出合うなかで、1つの画面に映った以上、別に時代とか関係なくなるんですよ。選択肢の1つでしかないというか、懐古してるって感情はないかもしれないです」(The Songbards松原)。「もともとビートルズとか60年代の洋楽ロックが好きで、いろんな音楽を聴いていくなかで、たまたま自分が好きだったのがチューリップ。昭和のうただっただけ」(The Songbards上野)と、彼らはデジタルネイティブらしい考えを話す。
さまざまなジャンルがあるなかで、昭和のフォークを好きになった理由を尋ねると「野球の試合の帰りに友だちの父親の車で聴いて」「父親やその兄弟がみんな好きでライブDVDが常に流れていて」など親の影響で「懐かしい」感覚がありつつも、根本は「憧れですね」(プププランド西村)と話す。「超現実を歌っているというか。ポジティブでもネガティブでもなく、目の前にあることを受け入れろっていう等身大の世界観に器のでかさを感じるんです。こうなりたいと思って、僕は曲を作ってます」(西村)と、フォークソングに惹かれるワケを話す。

反体制の音楽としても知られるフォーク。1970年には吉田拓郎が登場し、自身の生き方や恋愛をフォークに投影してきた。最初は反発されながらも支持を得たのは誰もが知るところだろう。では現代の若者は、フォークでなにを歌うのか。「僕はアメリカのニューシネマにも影響を受けていて、アメリカの若者が大人になる瞬間というか、その焦燥感が好きで。今、僕らは満たされてるし、世のなかに不満もない。でも、焦燥感とかがないとあかんのかなとも思うんですよ。満たされてるだけじゃダメなんかなって。葛藤することが大事というか、その姿に憧れるんですよね」(西村)、「簡単に手に入るから、逆に満足できなくなってるのかもしれないです」(松原)と、この世代ならではの贅沢な悩みを打ち明ける。若い世代は現代にない「不完全さ」と「人間味」に惹かれ、その憧れを歌詞にしているという。

年輩者にとっては屈折しているようにも思える憧れを形にするプププランドの音楽は、誰に響くのだろうか。彼らのライブには、10〜20代の若い世代が多く見られ、「泣ける」などと共感する。「今の時代にあったアレンジだったりメロディーだったりは意識してるし、今売れてるジャンルとは一線を画すかもしれないけど、たぶんやってることはシンプルでそんなに変わらないと思ってます」(プププランド谷)と胸を張る。
12月6日には3rdアルバム『CRY!CRY!CRY!』をリリース。初恋にも似た甘く切ない気持ちを歌った『きみの春になれたら』や、バイオリンの音色が心地よい『Cry Cry Cry』など、フォークロックを軸としながらもバラエティに富んだ楽曲集に。
「季節感を大事にしました。この曲は冬の朝とか、夜散歩しながらとか・・・聴く人の日常に溶け込んでほしくて。僕のなかでグッドミュージックはNHKの『みんなのうた』。聴く人を選ばない、普遍的で大衆的な曲を作っていきたいと思ってます。懐古主義ではなく、僕たちはこれが売れる!と思ってますし、ど真ん中で勝負しています!」(西村)。「自分たちが良いと思った音楽をまっすぐ届けていきたい。それが普遍的であればいいなと思います。プププランドとの対バンが楽しみです」(上野)。来年1月8日には大阪「心斎橋pangea」にて、The Songbardsをゲストにむかえるプププランドのアルバム発売ツアーがスタートする。
プププランド
3rdアルバム『CRY! CRY! CRY!』
2017年12月6日発売
EXXREC-0020 / CD 2000円+税
プププランド
The Songbards
1stミニアルバム『Cages in the Room』
2018年1月31日(水)発売
NWWCD-002/1389円+税
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