巨大茶碗に挑戦、奈良で初釜大茶盛式

2018.1.15 18:00

茶碗だけでなく茶道具も特大。使われる抹茶も大茶盛式だけの特別品(15日・奈良市内)

(写真4枚)

真言律宗の総本山「西大寺」(奈良市西大寺芝町)で15日、『新春初釜大茶盛式』がおこなわれた。参加者は、特大の茶碗に目を丸くしながら和やかに茶儀を楽しんだ。

「西大寺」の大茶盛式は、鎌倉時代から続く伝統行事。再興の祖とされる叡尊(えいそん)上人が「一味和合」の精神で参拝の人々に振る舞ったことに由来する。戒律により飲酒が禁じられていたため、「酒盛」に代わり「茶盛」と称される。

支え、支えられ、やっと持ち上げられる大きな茶碗(15日・奈良市内)

茶碗は奈良の赤膚焼をはじめ、全国の窯元から奉納されたもので、なかには直径40センチ、重さは5キロを超えるものも。大きな茶碗を周りの人に支えられながら一服する風景は、まさに大茶盛式ならでは。抹茶を点てる茶道具も一般的なものよりずっと大きい。

「開基勝寶」をかたどった特別な和菓子「金銭菓」(15日・奈良市内)

和装で参加した女性は「重さもビックリしたけれど、こんなに立派なお茶碗でいただけるのがうれしい」と意匠も堪能。供された和菓子「金銭菓」も、幻の金貨「開基勝寶」をかたどった特別なもの。岐阜県から参加した男性は「普通のお菓子より甘みが強く、抹茶にぴったり合う」と顔をほころばせた。「大茶盛式」は毎年1月15日のほか、春と秋にも催される。

取材・文・写真/今泉光太郎

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