橋爪出演の法廷劇、結末は観客の投票で

2018.2.8 06:00

弁護士役の橋爪功は、朗読劇版に引きつづき、難役に挑む

(写真2枚)

観客が有罪か無罪かを投票し、その数によって物語の結末が決まる法廷劇『TERROR テロ』が、東京公演を経て、2月17日・18日に「兵庫県立芸術文化センター」(兵庫県西宮市)で上演する。

2016年に朗読劇として上演された同作。その際は朗読を橋爪功、ピアノ演奏を小曽根真がつとめ、橋爪はすべての役をひとりで担った。今回の完全上演版では、橋爪は弁護士役に徹し、検察官に神野三鈴、裁判長に今井朋彦らが出演。白熱した演技が繰り広げられそうだ。

物語の発端は、ドイツ上空での民間旅客機ハイジャック。犯人のテロリストは7万人の観客が集まったサッカースタジアムに飛行機を墜落させることを目論んでいた。しかし、緊急発進したラース・コッホ空軍少佐は、独断で旅客機を撃墜。乗客164人の命は失われたものの、7万人の観客の命は助かった。果たして、ラース・コッホ空軍少佐は英雄なのか、それとも犯罪者なのか。

緊張感の漂う舞台。本作は、刑事事件の弁護士でもあったドイツの作家フェルディナント・フォン・シーラッハの初戯曲
緊張感の漂う舞台。本作は、刑事事件の弁護士でもあったドイツの作家フェルディナント・フォン・シーラッハの初戯曲

以前鑑賞した朗読劇では、検察官と弁護人の緻密な論戦のシーンの後は、どちらの言い分も一理あるように思え、有罪か無罪かを投票するのに最後まで頭を悩ませたことを思い出す。結果、東京、兵庫共に全公演が有罪の結果になり、橋爪は「一度でいいから、無罪のパターンも演じてみたい」と語っていたが、その念願かなってか、完全版の東京公演16回の判決は、半分の8回が無罪という結果となった。

第2幕の後に観客の投票を兼ねた短い休憩があり、その後緊迫した空気のなか、舞台で判決が下される。観客が「参審員」を疑似体験できるまたとない機会だ。兵庫公演のチケットは7000円。その後、名古屋、広島、福岡と巡演する。

文/米満ゆうこ

舞台『TERROR テロ』

日程:2018年2月17日(土)・18日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
料金:7000円(全席指定)
電話:0798-68-0255

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