美術家らが設立、大阪・西成発ファッション

2018.2.22 07:00

「NISHINARI YOSHIO」とは、美術家の西尾美也と、kioku手芸館「たんす」に集う地域の女性たちが新たに作り上げたファッションブランドだ

(写真5枚)

大阪市の文化事業として地域発の創造活動を展開する「ブレーカープロジェクト」が美術家・西尾美也とともに立ち上げたファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」。そのお披露目となる展覧会が、2月24日から「大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]」(大阪市西区)と、kioku手芸館「たんす」(大阪市西成区)の2会場でおこなわれます。

ことの発端は2016年11月。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目して、衣服やファッションを素材とする表現活動をおこなっている西尾美也が、kioku手芸館「たんす」(大阪市西成区)で、毎月1回のワークショップを始めたのです。その目的は、参加者(地域の女性たち)の服作りに対する固定観念を崩すことでした。そのプロセスは、西尾が考えていたイメージとの齟齬、発想の飛躍、予想を裏切るアレンジなど、予期せぬズレが頻発。そうした「バグ」をむしろ面白がり、受け入れながら新たな提案や注文を出すうちに、「NISHINARI YOSHIO」のコンセプトが出来上がったのです。

ファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」が立ち上がるまでのワークショップの様子

注目の第1弾コレクションは、地域の女性たちのメンバーが身近な知人をモデルにして、その人への思いやりをデザイン化したワークジャケット(作業着)がプロトタイプになっています。2会場のうち、「大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]」では、西成を舞台に撮影された第1弾コレクションのファッション写真を展示、kioku手芸館「たんす」では、館内にショップをオープンして服の展示・販売をおこないます。

アーティストと地域の女性たちの試行錯誤を経て生み出された、超ユニークなファッションブランド「NISHINARI YOSHIO」のお披露目展。美術ファンもファッショニスタも、決して見逃してはいけません。

文/小吹隆文(美術ライター)

『NISHINARI YOSHIO』

期間:2018年2月24日(土)〜3月11日(日) 
時間:11:00〜19:00 月曜休
会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco](大阪市西区江之子島2-1-34)
料金:無料

期間:2018年2月24日(土)〜3月25日(日)の木金土日曜・祝日 
時間:13:00〜19:00 
会場:kioku手芸館「たんす」(大阪市西成区山王1-11-5)
料金:無料

電話:070-5046-8667(ブレーカープロジェクト実行委員会)

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