【大阪現地ルポ】アイドル運営はヤバイ?

2018.2.24 20:00

照明器具「ケミカルライト」でファンがライブを盛り上げるアイドルのライブ現場

(写真5枚)

取材・文/田辺ユウキ

アイドルグループの運営はいったいどんな存在?

「アイドルはなぜ、地下で夢を見るのか!?」をテーマに、大阪のアイドル事情について昨年から不定期で現地ルポを届けてきた。そんななか、アイドル事情に詳しいインタビュアー・吉田豪氏が「まともな(女性アイドルの)運営は2割くらい」とのコメントをテレビ番組で発言し、SNSを中心に物議を醸した。

その真意については、吉田氏のこれまでのツイートや関連記事をさかのぼって判断して欲しい。ただ実際、運営スタッフやプロデューサーが所属タレントに手を出したり(色恋関連)、金銭トラブルが発生したり、本意ではない企画が実行されるなど、アイドル本人やファンを裏切る出来事が起こっている。

誰もがアイドルを名乗り、個人でも活動ができるこの時代。運営がつく必要性はどれくらいあるのだろうか。アイドルに無縁な方は、運営、プロデューサーとはそもそも何をしているものなのかと疑問を持つはず。「かわいい女の子とお近づきになりたいだけでは?」と感じる人もいるだろう。テレビなどで報道されるアイドル事情は、関東地方ばかり。そこで今回は、大阪を軸に活動するアイドル・グループのスタッフに取材をおこなった。

タレント事務所「ツーマンセル」を経営する石川ケンイチさんがプロデュースしているのは、「お弁当」を中心に日本独自の文化を発信するObento Idole(オベントイドール)。もともと、広告代理店から出資などサポートを受ける形でグループ結成の話が進んでいたが、「外国人観光客をターゲットに、とある場所でステージ・パフォーマンスをするはずが、デビュー前に企画そのものが白紙になってしまって・・・(苦笑)。今さら引き返せない状況だったので、将来的に地域や企業とコラボをしてもらえるように、頑張っていこうと意を決しました」といきなり苦境に立たされたという。

タレント事務所「ツーマンセル」を経営する石川ケンイチさん

石川さんの業務は、運営資金の割り振り、ライブのブッキング、プロモーション、メンバーのスケジュール管理、物販スタッフ、楽曲のプランニングなど「作曲、グッズデザイン、ダンスや歌のレッスン以外は全部自分でやっています」と大忙し。大手事務所のように大勢のスタッフを雇っているわけではなく、自力の運営とあって潤沢な環境とは言えない。



ただ、「まずメンバーに金銭的負担がかからないようにしています。レッスンは無料。決して高額ではありませんが、ギャランティも『1ステージにつき幾ら』という風に固定金額をそれぞれに渡しています。大きな成長があったり、それぞれにファンがたくさん付いたりすれば、それに応じてギャランティも調整していきます。チェキなど物販の売り上げに対する歩合性(バック性)のグループも多いかもしれませんが、うちはトータルで評価していくことで、総合的な能力アップを計っています」と現状を話してくれた。

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