高橋一生「なにもしない、という芝居をできるようになった」
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「『なにもしない』を普通に選択できるように」(高橋一生)
──予定調和な演技に陥らないために、余計な情報をそぎ落とし、すべてその瞬間に反応していくというか。
けれど、なにかしたくなってしまうものなんです、俳優というものは。少なくとも僕は(笑)。なにか付け加えたくなったり、説明したくなったり。なにもしないと間が持たないんじゃないかと不安になるんですけれど、この現場ではそれを一切感じなかったです。この撮影の後に出演した作品では、「なにもしない」ということを普通に選択できるようになりました。
──父親役のリリー・フランキーさん、母親役の神野三鈴さんら、ほかのキャストとの共演ではどうでしたか?
リリーさんも三鈴さんも、父親の葬儀に弔問に訪れるキャストの方々(佐藤二朗、村上淳、波岡一喜、伊藤沙莉、川瀬陽太ら)も個性豊かな方たちだったので、その方たちに対してお芝居で応えていくということがなになのか、自分なりのフォーカスは絞れたかと思います。
──あそこのシーンはアドリブが多かったんですよね。村上淳さんが急にペンチを取り出してご遺体から歯を抜こうとしたり、岡田将孝さんが父親のスポーツ新聞のエロコーナー収集癖を暴露したり(笑)。
ええ(笑)。その絞られつつあったフォーカスが、この現場を経たことで変わりました。お芝居に没入してる度合いみたいなものが、非常に自分のなかで試されていたし、それは笑ってはいけない/笑っていいということを超えた「なにか」だと思うんです。「笑う」という感情は、人間ならではの唯一なものだと思っていて。「喜ぶ」はあっても、実は「笑う」ってなかなかない。そういうものを目の前にしたとき、お芝居はどうなっていくんだろうとか。そういうことは改めて考えました。
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──その没入というのは、だんだん俳優としての個人が無になっていく感覚なんですか?
いえ、役としてしか考えられなくなってくるんでしょう、きっと。
──まさに役を生きている、という。
はい。「怖い」って思う感覚とか。それはすごく大事だと思います。
──大阪の舞台挨拶では、「(野性爆弾の)くっきーさんが断トツで面白くて、狂気でした」とおっしゃってましたね。コワモテのくっきーさんが弔問に来て、お焼香の回数についてお坊さんと揉めるという(笑)。
普通に考えたら、見たこともない父の友人が葬儀に来て、そこで急に怒り始めるなんて、「怖い」と思うんです。得体の知れないオカマの人もいるし、「(父親は)どんな人と付き合っていたの?」となる。ああいうところでフォーカスをちゃんと絞っておかないと、そこでその世界観が終わってしまうので。そういうところはさらに気にするようになりました。
──なるほど。そういったひとつひとつの試みがひとつの映画を作り上げていると思うのですが、この『blank13』の最大の魅力は、鑑賞後にいろんなことを考えさせられるという「至福の映画体験」だと思うんですね。キャストのみなさんも、それを念頭に演じられていたんですか?
多分にあったと思います。工さんが作ろうとしている世界観が、その「空白」だったと思いますし、みなさんそれぞれが「空白」にはなにもないわけじゃないんだということを、どこかで理解していたような感じはします。
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──そんな作品を観て、高橋さんが最初に抱いた感想というのは?
やっぱり非常に映画的な世界観だと思いました。背景が埋まっているというか、背景が雄弁に語ってくるというか。人よりも風景が、言葉よりも表情が語ってくるような、映画じゃないと伝わらない「なにか」ってきっとあると思うんです。映画館という場所でないと伝わってこない感情だったり。
──齊藤監督が思い描いているものを、映画という媒体を使って、映画だからできることで表現したという。
ええ。たとえば、舞台でしか観られない生々しさってあると思うんです。これが、映像化されると全然違うものになってしまうのは、そこに要因があって。観る側と観られる側、お互いの了解が存在しているような気がします。その場所で観るからこそ、伝わる世界観がある。それはこの映画を通して強く感じました。
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