人気脚本家・土田英生、新作舞台で全国

2018.3.4 07:00

SF的な隔離病棟や弥生時代の集落など様々なシチュエーションで舞台を作るMONO。写真は学校の教室が舞台の前回公演『ハテノウタ』より 写真/井上嘉和

(写真2枚)

三代目J Soul Brothersの岩田剛典が初主演をつとめる4月期の新ドラマ『崖っぷちホテル!』(日テレ)で、脚本を担当する劇作家・演出家の土田英生。彼が率いる京都の劇団・MONOの新作舞台『隣の芝生も。』が、3〜4月にかけて大阪を含む全国5カ所で上演される。

今回のドラマでは破産寸前のホテルを舞台に、彼が得意とする群像劇スタイルの痛快コメディを描く土田。一方、「主人公が自分の虚無感に一瞬悩むとか、テレビドラマだとあまり描かれないような想いや感情がポロポロ出てくるのが演劇の面白さ」と話すように、劇団の公演では、笑いを交えながら現代社会への疑念や人間の本質を浮かび上がらせてきた。

しかし新作では、あえて社会的なテーマやメッセージは抑え、よりエンターテインメント性を意識したコメディにするそうだ。「昭和のヤクザ映画と寅さんが合わさったような、ベタな人情話です」と土田は語る。

同じビルのお隣同士という以外、まったく接点がないと思われた2つの会社が、思わぬ形でお互いの抱える問題に巻き込まれていく
同じビルのお隣同士という以外、まったく接点がないと思われた2つの会社が、思わぬ形でお互いの抱える問題に巻き込まれていく

元ヤクザたちによる探偵事務所と、若者たちが起業したスタンプのお店が今回の舞台。「若者たちの小さな日常のすぐ隣で、元ヤクザたちが生死に関わる話をしているという、その対比の面白さを見せたい。劇団公演では、初めて回転舞台を使ってセットを変えます。それだけでも、お客さんはだまし絵を観たようなよろこびを感じるのでは。物語も見せ方も、そういう原初的な演劇の楽しさを大事にしたいです」と、観客を楽しませることに意欲を見せた。大阪公演は3月23日~27日に「ABCホール」(大阪市福島区)にて。

文/吉永美和子

MONO『隣の芝生も。』

日程:2018年3月23日(金)〜27日(火)
会場:ABCホール(大阪市福島区福島1-1-30)
料金:一般4000円、25歳以下2000円、ほか
電話:075-525-2195

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