閉鎖まで残りわずか、レトロ回転展望台

2018.3.21 06:00

閉鎖を間近に控え、連日満員状態の手柄山回転展望台。駐車場も常時満車だ

(写真3枚)

老朽化のために閉鎖が決まっている「手柄山中央公園」(兵庫県姫路市)の「回転展望台」。そこで営業を続けてきた喫茶店「手柄ポート」の閉店(3月25日)まで、残り1週間を切った。

訪れた17日も、閉鎖を惜しむ多くのファンが訪れ、非常用のらせん階段に並んで入店を待っていた。三田市から訪れた家族連れは、夫婦ともに姫路出身。父親は子どもの頃以来の来店で「今日は童心に返ります」と家族4人そろってプリンパフェやお子様パフェを注文。小学生の子どもは「(公園内にある)水族館や植物園が上から見えておもしろい!」と喜んでいた。

展望台からの景色をゆっくり眺め、写真を撮ったり、レトロな純喫茶のメニューを堪能するお客
展望台からの景色をゆっくり眺め、写真を撮ったり、レトロな純喫茶のメニューを堪能する訪問客

1966(昭和41)年に開催された『姫路大博覧会』のテーマ塔として建てられた回転展望台。会場となった「手柄山中央公園」には、姫路駅と手柄山を結んだ「姫路モノレール」など博覧会を物語る遺構が残されている。

当時たいへん珍しかったモノレールも、現在は車両が公園内に展示。レールが駅ビルを貫通して話題を呼んだ中間駅「大将軍駅」も、老朽化のため2016年に解体された。

「手柄山交流ステーション」にある、姫路大博覧会のジオラマ。左側に回転展望台が見える
「手柄山交流ステーション」にある、姫路大博覧会のジオラマ。左側に回転展望台が見える

博覧会から50年あまり経ち、建物の老朽化は避けられない。回転展望台も姫路市が一度は解体方針を示したが、存続を望む市民の声を受けて取り壊しを撤回。しかし安全性の面から、喫茶店の営業継続には至らなかった。建物は今後も残るが、なかに入ることはできなくなる。

取材・文・写真/合楽仁美

「回転展望台 手柄ポート」

住所:姫路市西延末 手柄山中央公園内
期間:2018年3月25日(日)まで
営業:10:00~17:00(日祝は~18:00)火曜休
電話:079-295-1242

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