小池徹平、ミュージカル界に珍しい役者
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2013年に初めてミュージカルの舞台を踏んでから、WaTで培った音楽センスと、数々の映像作品で鍛えた演技力で、またたく間に有名演出家たちから出演を熱望される存在となった小池徹平。しかもその役柄は、正統派のヒーローからちょっと頭の弱い少年、漫画『DEATH NOTE』のLまでと幅広い。そんな小池の最新出演作は、『1789-バスティーユの恋人たち-』の再演。農民出身ながらフランス革命の先頭に立つ主人公・ロナンを再び演じる小池に話を訊いた。
取材・文/吉永美和子
「役に呼ばれる、そっちの方が近い気がします」(小池徹平)
──小池さんはミュージカル進出以来、本当に様々な・・・しかもちょっと変わった役を、よく演じられていますよね。
選んでるわけでも何でもなく、たまたま(出演の)お話をいただくのが、そういう役が多いんですよね。『キレイ』のハリコナ役は、大好きな(作・演出の)松尾スズキさんから直接「こういう役をやってほしいんだよね~」とお声がけいただきました。
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──あの天真爛漫なおバカっぷりは、松尾さんの狙い通り、すごくハマってましたよね。そういう役を選ぶというより「役に呼ばれる」ってことなんでしょうか?
そっちの方が近い気がします。日本のミュージカル界って、高身長でイケメンという人が多くて、僕みたいな小柄な男性って、意外といない気がするんですよ。僕と中川さん(中川晃教/ミュージシャン、ミュージカル俳優)が(身長が)一緒ぐらいなんですけど。
──そう言われると中川さんも、モーツァルトからスヌーピーまで、いろんな役をされていますよね。
そうですよね。僕は中川さんと一緒の舞台に出たことが一度もないので、多分似たようなタイプと思われているのかもしれない(笑)。
──ミュージカル関係者の間では、すでに「変わった役だけど、小池徹平ならやれそう」という信頼ができているのかもしれないですね。
そう思ってくださっていたらうれしいんですけどねえ(笑)。一筋縄でいかない役をいただいたとしても、いつも努力してそれになれるよう、何とか頑張っていますので。
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──歌あり踊りありのミュージカルは、ストレートプレイよりも俳優に求められる要素が多い分、役作りのアプローチの幅も広いと聞きます。それで言うと小池さんは役に入る際、最初に何を重視しますか?
僕は基本的に脚本ですね。脚本を読んでイメージを広げて、「こういう人間だ」と考えてから作っていきます。ただもともと原作があるもの・・・それこそ『デスノート(THE MUSICAL)』のLは、昔から原作のファンだったので「裏切りたくない」という気持ちが先にあって。漫画からそのまんまヒョン! って飛び出たような演じ方をしたいな、と思っていました。そういう元から(キャラクターが)ある役は、近づいていきやすい。
──実際あのL役は、カップの持ち方まで「Lだ!」って思いました。それで言うと『1789』のロナンの役作りは、いかがだったんでしょうか?
ロナンはすごく時間がかかりましたね。マリー・アントワネットなどの実在の人物と違って、この物語のために生まれたキャラクターなので。その架空の人が、実際に存在した人たちを引っ張ってフランス革命を起こすっていうのが、すごくおもしろい話ではあると思うんですけど、それだけに人物像がつかみにくかったです。
──ということは、フランス革命のことについてめちゃくちゃ調べたり?
そうですね。いろんな資料を読んだり、レポートみたいなのを書いたりしました。当時の農民たちがどのぐらい飢えていたか、どんな事件が起こって、民衆がどんな気持ちになってバスティーユに向かったのか・・・ということを。僕だけじゃなくてみんなが調べて、その意識を統一しました。特にWキャストの(加藤)和樹くんとは、「この台詞を言うときは、こんな気持ちだ」という細かい確認を、再演の稽古場でもしています。演じ方はそれぞれわりとフリーなんですけど、ロナンが根本的に持っているモノについては、お互いすり合わせています。
『1789-バスティーユの恋人たち-』
日程:2018年6月2日(土)〜25日(月)
会場:新歌舞伎座(大阪市天王寺区上本町6-5-13)
料金:S席13500円、A席8000円
電話:06-6377-3800(梅田芸術劇場)
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