若き名匠・白石和彌監督を徹底解剖(1)
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初長編作品『凶悪』(2013年)で一躍その名を轟かせ、今では日本映画界に無くてはならない存在となった映画監督・白石和彌。そんな若き名匠を迎え、白石作品を熱烈に支持してやまない映画評論家──春岡勇二、ミルクマン斉藤、田辺ユウキの3人が、大阪のお好み焼き屋で酩酊トークを展開。最新作である『孤狼の血』を中心に、白石和彌という屈指の映画人に迫った。※ネタバレ多数につき、未見の方は鑑賞後にお読みください
「やっぱり、イカれた役所広司を観たい」(白石和彌)
──まずはみなさんの白石監督との出会いはなんだったんですか?
斉藤「最初に観た作品は『凶悪』ですね」
白石「ありがとうございます」
斉藤「あ、でもWOWOWの『人間昆虫記』(2011年)かな?」
白石「それの方が前ですね」
田辺「僕が白石監督を知ったのは、デビュー作の『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(2010年)ですね」
白石「昨日(4月25日)、ようやくソフト化しました。どれぐらい営業してるかは知らないけど、Amazonでは買えます。TSUTAYAとかでも借りられるかな?」
春岡「俺は『日本で一番悪い奴ら』(2016年)のときに会ったのが最初で、映画は『凶悪』から観てました」
白石「ありがとうございます」
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──今回、白石和彌監督の最新作『孤狼の血』が5月12日に公開されました。若き名匠に相応しい大作になりましたが、みなさんどうでしたか?
斉藤「いきなり脇の脇みたいな話になるけれど、瀧川英次さん良かったよね、あの署長役。上役の顔色をいつも伺いながら、大した力もないのに出世してきたんやなあ、ってのが想像できて、出てくるたびに笑える」
白石「昔、大島渚さんが警察の幹部役で出てたりしているから、映画監督をキャスティングするのもありだなといろいろ探ったんですけど・・・。結果、瀧川さんにして大正解でした」
春岡「昔、『やくざの墓場 くちなしの花 』(1976年)に大阪府警本部長役で大島さんとか出てたもんね。あれはちょっとおかしかった。ああいう使い方するの、やっぱり東映っぽい。で、『孤狼の血』がよく言われるのが、現代版『仁義なき戦い』なんだけど、この前、作家で映画評論家の戸田学くんと話したときに、『やっぱり曽根晴美がいませんからね』って」
※曽根晴美:ヤクザ映画の脇役・敵役で確固たるポジションを築いた名優
斉藤「そうそう。それは言えるよね。あの顔はなかなかいない」
白石「いや、今の芸能界に曽根晴美はいないですよぉ。でも、『孤狼の血』も頑張った方だと思いますよ(笑)」
春岡「いやいや、たしかに」
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春岡「中村倫也も良かったよね。洋風なチンピラの顔で。高校生の役とか、あと恋愛モノとか、そっちで出てるのは知ってたんだけど」
白石「今、ちょっとブレイクきてますね。彼とはもう3本目かな。GYAO!の『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』(2015年)と『日本で一番悪い奴ら』にも出てもらってるんで。もう、芝居が上手いのはよく知ってたんで」
斉藤「勝矢なんて、今までで一番良かったと思う。岩永ジョージも素晴らしかった。彼なんて、現代版・川谷拓三だよね。映画『県警対組織暴力』(1975年)の」
白石「うれしい、うれしい。でも、ホント、最初はムリゲーだと思いましたね、映画化の話をもらったときは。原作を最初に読んでみてください。これやるの、相当キツイなって思いましたもん(苦笑)」
斉藤「そもそも役所広司さんからしてさ、僕らにとっての役所さんといえば『極東黒社会』(1993年)とか『大阪極道戦争 しのいだれ』(1994年)とか『シャブ極道』(1996年)やんか」
春岡「細野辰興監督の一連の作品、良かったよな」
白石「あの、イカれた役所広司をこの20年、観てないじゃないですか。『渇き。』(2014年)はちょっと違うんですよね。やっぱり、イカれた役所広司を観たいという」
春岡「なるほど。役所さんもああいう役は好きだったからね。昔、映画祭で会ったとき、『面白いから、ぜひ観てくださいよ!』って散々言われたことがあってさ。当時はVシネマみたいな扱いだったけど、俺たちはああいう映画好きだから、『もちろん観てますよ』って話はしてたんだけど」
田辺「僕ら30代としては、ああいう役所広司をリアルで観るのは実は初めてなんですよ」
斉藤「50代の僕らとしては全然不思議じゃないのよ。だから、三池崇史監督の作品にしたって、『十三人の刺客』(2010年)を観たときもやっぱり『極道黒社会』を思い出すという」
白石「むしろ、なぜ『アウトレイジ』に出なかったのか、というレベルですよね」
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