コメディ劇団、再演&新作を交互上演

2018.5.29 07:00

『サマータイムマシン・ブルース』(2005年再演)より

(写真2枚)

今年で結成20周年を迎える京都の劇団・ヨーロッパ企画。彼らが、初期の代表作『サマータイムマシン・ブルース(以下STMB)』の再演と、新作『サマータイムマシン・ワンスモア(STMO)』の2本立てで、7月から全国ツアーを開始する。

巨大迷路や立体だまし絵などの大掛かりな仕掛けを舞台に構え、そこに入り込んだ人々のおかしな行動で構成する彼らのコメディ。挑戦的なアトラクションでひとつの物語を作り出す一方、エチュード(即興芝居の稽古)で生まれた言葉や動きをベースにした俳優の演技は「あるある」の連続で親しみやすく、「挑戦的」と「親しみやすさ」を見事に両立した劇団だ。

その笑いのスタイルが一躍全国区で知られることになったのが、2001年の初上演後、2005年に瑛太主演で本広克行監督が映画化した『STMB』。タイムマシンを手に入れた大学生たちが、ひたすら「今日」と「昨日」を往復する・・・というミニマムな世界観ながらも、タイムパラドックスを活かした怒涛の伏線回収の連続で、芝居・映画共に観客を大きな笑いの渦に巻き込んだ。

第61回岸田國士戯曲賞を受賞した脚本・演出の上田誠
劇団代表の上田誠は、第61回岸田國士戯曲賞を受賞した

そして新作『STMO』は、『STMB』から15年後の、同じ登場人物たちを中心とした後日談になる。日本演劇界切っての伏線張りの名人である、作・演出家の上田誠のこと。単体でもきっと楽しめるが、2本を一緒に観ることで、初めて大きなパズルが完成するような仕掛けを考えてくると思われるので、できれば両方観ておきたい。

全国11カ所をツアーし、関西は栗東(7/28)、京都(8/9〜12)、大阪(9/12〜28、ABCホール)で2作をほぼ交互に上演。チケットの発売は、6月2日(京都)、9日(栗東)、16日(大阪)から。

文/吉永美和子

『サマータイムマシン・ブルース』/『サマータイムマシン・ワンスモア』

日程:2018年7月28日(土)
会場:栗東芸術文化会館さきら中ホール
料金:一般2000円、学生1500円
電話:077-551-1455

日程:2018年8月9日(木)〜12日(日)
会場:京都府立文化芸術会館
料金:一般3500円、学生2000円
電話:06-6357-4400

日程:2018年9月12日(水)〜28日(金)
会場:ABCホール
料金:一般4500円、学生3000円
電話:06-6357-4400

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