ガン闘病の大下智騎手、再び夢の舞台へ

2018.6.23 05:00

競馬ファンでもその存在を知る者は少ない大下智騎手

(写真3枚)

競馬ファンでもその存在を知る者は少ないジョッキー・大下智。6月20日に引退するまでの知られざる戦いに密着したドキュメンタリー『もう1度、騎手になりたい。ガンと闘ったどん底ジョッキー』(カンテレ)が23日に放送される。

デビュー1年目こそ8勝を挙げたものの、その後は鳴かず飛ばずで、騎手生活11年間でわずか17勝という大下騎手。ここ数年は、競走馬のトレーニング施設で調教を手伝って生計を立てながら、競馬のある土日は自宅で過ごすという生活を続けていた。

「このまま騎手の道を諦めるべきなのか」と、自問自答を繰り返していた2017年10月。「甲状腺がん ステージ4」という衝撃的な事実が医師から伝えられる。視力と声を失う可能性があると知らされながらも、手術を受けた大下騎手。入院生活は2カ月に及んだ。

トレーニング施設や厩舎で働いて、生計を立てていた大下智騎手

手術が成功し、再び騎乗できる可能性が残されたが、勝利数の少ない騎手はどんどん騎乗機会が減っていくのが競馬界の現実。武豊騎手、幸英明騎手という尊敬する先輩ジョッキーらに支えられ、「もう一度、騎手になりたい」という気持ちが日に日に強くなっていった。

「辞める・辞めへんは周りに言われることじゃない。僕の意地だけ」と大下智騎手

番組では、ガンが発覚して5カ月の間に落ちた体力を取り戻すために、過酷なウェイトトレーニング・減量に挑む大下騎手に密着。同時に、騎乗する競走馬を探す「営業」も自らおこなうが、一向に依頼は来ない。そんななか、大下騎手が働く厩舎の池添学調教師が、ある馬主に掛け合ってくれたことで、レースに出られることに。競馬ファンが日本ダービーに沸く5月27日、大下騎手が姿を現したのは、一番思い入れのある「京都競馬場」だった・・・。この模様は6月23日・深夜1時50分から放送される(関西ローカル)。

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