京都で、バウハウス設立にちなむ展覧会

2018.7.27 06:00

山脇巌《バウハウス・デッサウ》1931 武蔵野美術大学 美術館・図書館 ©山脇巌・道子資料室

(写真4枚)

2019年がバウハウス創設100年に当たることから、ドイツでは「Bauhaus 100」と銘打ちさまざまなプログラムがおこなわれています。その主要イベントのひとつとして、8月4日から「京都国立近代美術館」(京都市左京区)で『バウハウスへの応答』が開催されます。

「バウハウス」とは、1919年にドイツのヴァイマールで設立された総合的造形芸術機関です。初代校長のヴァルター・グロピウスをはじめ、カンディンスキーやクレーなどの前衛芸術家を数多く教員として招聘した同校は、その画期的な教育理念もあって世界中の建築、美術、デザインに大きな影響を与えました。たとえば、非常勤講師だったパウル・レナーによる「フーツラ」という書体は、ルイ・ヴィトンやフォルクスワーゲンなど、今でも多くの企業のロゴに使われています。

同展は、バウハウスが設立に際して発した「バウハウス宣言」の世界的受容と展開を、特に日本とインドの事例に注目して紹介するものです。展覧会は3章で構成。第1章ではバウハウスの教育プログラムを紹介し、第2章では日本、そして第3章ではインドでのバウハウスの受容と展開に迫ります。

ライオネル・ファイニンガー「バウハウス宣言」表紙 1919 大阪新美術館建設準備室

展示物は、同校の教員の一人、ライオネル・ファイニンガーが「バウハウス宣言」の表紙のために制作した木版画や、バウハウスで学んだ日本人、山脇巌や水谷武彦の作品、川喜田煉七郎が日本でおこなった造形教育の記録写真、インドの美術学校「カラ・ババン」で用いられた教材や学生の作品など約100点。また、現代の美術家ルカ・フライとオトリス・グループによる展覧会委嘱作品も見られます。20世紀の美術工芸に大きな影響を与えたバウハウスを深く知る絶好の展覧会です。期間は10月8日まで、料金は一般430円。

文/小吹隆文(美術ライター)

『バウハウスへの応答』

期間:2018年8月4日(土)〜10月8日(月・祝)※月曜休(9/17・24・10/8開館、9/18・25休館。 
時間:9:30〜17:00(金土曜〜21:00、夜間割引あり)※入館は閉館30分前まで 
会場:京都国立近代美術館(4階コレクションギャラリー・京都市左京区岡崎円勝寺町)
料金:一般430円、大学生130円、高校生以下無料
電話:075-761-4111

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