長塚圭史が新劇団「何度も口にした解散」

2018.8.17 08:00

「劇団員に大遠具が2人もいてるので、視覚的な効果に関しても期待できる」と劇団化で拡がった可能性にワクワクした様子

(写真2枚)

これまで客演を迎えて公演をおこなってきた演出家・俳優の長塚圭史が、劇団員を募って新生・阿佐ヶ谷スパイダースを結成。8月から旗揚げ公演『MAKOTO』で全国5箇所を巡演している。

長塚と中山祐一朗、伊達暁の3人が中心となり、劇団員を持たずにその都度キャストやスタッフを集めるプロデュース公演をおこなってきた演劇ユニット・阿佐ヶ谷スパイダース。結成から20年以上経ち、前作『はたらくおとこ』の公演前にはユニットとしての解散を考えていたという。「先が見えなくなって、3人で話し合って何度も解散を口にした」と振り返る。

そんな折に思い出したのが、2015年におこなった仙台でのワークショップだ。「住みこみでいろんな職業の人たちと作品を作って、合宿のようで良かった。逆行するんだけど『劇団』という形を提案したら、みんなが良いんじゃないの?って」と劇団員募集へ舵を切ったという。

今回は、3日間で200人以上をオーディション。最終7人にしぼったが、「今回の公演に向けてなのでまだまだ増える。ほかにスタッフ(10名)もいて、いまは24人。どんどん増えて100人くらいになれば」と夢は膨らむ。

「年配の役者が演じるのは、自分のことばかりでクズばっかしの大人。クズのひとりを僕がやる」と長塚
「年配の役者が演じるのは、自分のことばかりでクズばっかしの大人。クズのひとりを僕がやる」と長塚

本公演は、妻を失った男が彼女を忘れるためにあらゆる行動に出るSF風の物語。作者でもある長塚は、「主人公は、僕も予測不能のやり方で夜の街を疾走しながら、1秒でも早く奥さんを忘れようと行動する。とっても狂ってて僕もついていけない(笑)」と物語の破天荒ぶりを楽しんでいるようだ。

会場手配は長塚自らが直談判し、チラシの折り込みや稽古場での食事などは役者らも協力。『劇団』としての一体感をかみしめながら準備を進めているという。本作で新生・阿佐ヶ谷スパイダースとしてスタートを切り、「今後は、年に1本の本公演をやっていくつもりにしている」と抱負を話した。大阪公演は8月25日・26日に「近鉄アート館」(大阪市阿倍野区)にて。チケットは前売5500円、当日5800円。

『MAKOTO』

日程:2018年8月25日(土)・26日(日)
会場:近鉄アート館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43)
料金:前売5500円、当日5800円(全席指定)
電話:06-6622-8802

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