篠原涼子「小室さんは神様のような存在」

2018.8.31 07:00
(写真3枚)

映画『モテキ』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』などを手掛けた大根仁監督が、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』の設定を90年代のコギャル世代にアレンジして作り上げた『SUNNY 強い気持ち・強い愛』。本作で主人公・奈美役をつとめるのは、自身も90年代にミリオンアーティストとして活躍した女優の篠原涼子。当時を過ごした世代にとって、笑って泣ける青春ムービーとなった本作とその時代について、篠原涼子に話を訊いた。

取材・文/田辺ユウキ 写真/渡邉一生

「コギャルは時代を変えた人たちだと思う」(篠原涼子)

──本作は1990年代のコギャルブームのなかで青春を過ごした主婦・奈美の回想が物語の中心となっていますが、篠原さんは10代からすでに芸能界で活動されていました。当時、主人公たちと同じような青春ってあったのでしょうか。

そうなんです。自分が望んで芸能活動をしていましたが、でも電車に乗っているとき、同年代が楽しくしゃべっているところを見ると、やっぱり羨ましかったです。16歳で上京して、とにかく仕事に没頭しなきゃいけない時期だったので、遊ぶ余裕を持つことができませんでした。

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』 © 2018「SUNNY」製作委員会

──コギャルブームは、当時の篠原さんの目にはどのように映っていましたか。

ある意味、時代を変えた人たちだと思っています。エネルギッシュで、ハングリー精神がありましたよね。当時、私はハタチくらいで、コギャルとは2、3歳くらいしか年齢差はなかったけど、明らかに別世界でした。同じことができるかと言われたら、私にはその勇気はなかった。若さを押し出したその力強さを見て、ステキだなって思っていました。

──ただ、見た目として画一的でもありましたよね。映画でも、田舎から転入してきた奈美は、周囲と同じ格好をしようとします。みんなと一緒じゃなきゃダサい、という風潮がありました。

「みんながやっているから」という感覚は日本的ですよね。だからこそ、中身が大切。個性を見失わなければ、みんなと同じものを着ていてもいい。あとはそれが自分にとって一番似合うか、どうか。現在は、それぞれが主体性を持って生きている世のなかになったと感じています。誰かの真似ではなく、自分の良さを理解して、洋服や音楽などを選んでいる気がします。

「現在は、それぞれが主体性を持って生きている」と篠原涼子

──コギャル文化を理解できない大人たちの目線もリアルですよね。いつの時代も、大人は若者のやることに疑問を感じるものでしょうけど。

当時、古着のTシャツにダメージジーンズを組み合わせるファッションがあったじゃないですか。その格好で実家に帰ったら、親から「お前、金がないのか!」とすごく心配され、「違うって。こういう格好が流行っているの」と説明した記憶があります(笑)。今となっては自分も、10代、20代のやることに「えっ?」と思うことはありますけど、でもその人に似合っていたら、全然OKですよね。

──まさにそうです。

そういえば、1990年代当時、男の子の間で「腰パン」が流行っていましたよね。私はそのとき「格好悪い」と考えていたんですけど、最近、スケボーをやっている息子が、B−BOYファッションとして腰パンをやっていて、「あ、ちょっとアリかも」と思えるようになったんです。自分のやりたいことがあって、そのなかでふさわしいファッションを見つけ出すのはステキです。

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』

2018年8月31日(金)公開
原作:「Sunny」CJ E&M CORPORATION
監督・脚本:大根仁
出演:篠原涼子、広瀬すず、板谷由夏、ほか
配給:東宝 PG12

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