篠原涼子「小室さんは神様のような存在」

2018.8.31 07:00
(写真3枚)

「ビキニを着て、海の家で焼きそばを食べたい(笑)」(篠原涼子)

──その一方で、10代の奈美たちは、怖いもの知らずの年齢だから、大人たちを無邪気にバカにするじゃないですか。

オジサン、オバサンの扱いをしますよね。そして、実際に自分が年齢を重ねて、あのときの言動がブーメランのようにはねかえってくる。私自身は当時から40代、50代の方たちとお仕事をご一緒させていただき、勉強になることが多かったので、そういう見方は全然ありませんでした。みなさんを尊敬していました。

──40代の奈美たちには、年齢という現実が重くのしかかってきます。ちなみに僕の周りでも、「篠原涼子の年齢の重ね方が理想」という人って多いんですね。かっこいい女性の代表というか。女性誌でもそういう特集のとき、必ず篠原さんの名前が挙がっている印象です。

でもやはり私も、本音として年齢は重ねたくないです。不安の方が大きいから。10代だったら、「早くハタチになってお酒が飲めるようになりたい」とかありますけど、いろんな出来事を通過していくと、その先は自分で特別なものを見つけ出していかなければいけない。いつも「私には何が出来るだろう」と悩みながら生きています。だから、ステキな年齢の重ね方をしている人の生き方をよく見ています。

専業主婦の奈美は、かつての親友・芹香と久しぶりに再会する © 2018「SUNNY」製作委員会

──10代の頃は校則もそうだし、法律的にもやってはいけないことが多いけど、でも自由さがあった。一方で大人は時間やお金もある程度の自由があるけど、柔軟に身動きがとりづらい。

社会的な責任もそうですし、世間体も当然出てくる。私も性格的には、はしゃぐタイプ。明るく、楽しい方が好きだけど、そうは無邪気にはいられません。

──周りの目がなかったら「こういうことを思いっきりやりたい」というものはありますか。

夏にビキニを着て泳いで、海の家で焼きそばを食べたいです(笑)。あと、遊園地で仲間と顔にペイントをして、たくさん笑って。今でもできなくないけど、さすがにビキニは厳しいかな(笑)。

──ハハハ(笑)。1990年代の話に戻りますが、篠原さんは1994年にリリースした『恋しさとせつなさと心強さと』がダブルミリオン(200万枚のセールス)を記録します。24年前ですが、現在でも鮮明に歌えるし、10代・20代もちゃんと知っている。それって実はかなり驚異的だと思うんです。

やっぱり小室哲哉さんはすごいですよ。小室さんに関わる人たちはみんなヒットしたし、私にとっても神様のような存在です。当時も今も、才能がすさまじい。今回、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の音楽は小室さんが担当していますが、聴き直してみて改めてそれを実感しました。

──当時は年齢に関わらず、みんなCDを買っていて、ミリオンヒットも続出していましたし。

今のように音楽を聴く選択肢は多くなくて、とにかくCDを聴いてましたね。私もCDを買いに行って、すごく楽しみに封を開けていました。今主流のネット配信などは便利ですけど、あの「封を開ける」感覚が薄らいでいるのがちょっと寂しいですよね。あと、気に入ったジャケットを部屋に飾るのも楽しかったです。

──この映画は、そうやって昔を懐かしむことが決して懐古的じゃないというか。それはやっぱり仲間の存在が大きく、みんなと過ごした日々が貴重だったからだと思うんですが、篠原さんは、奈美のように「再会をしたい人」っていらっしゃいますか。

中学時代の地元の同級生です。東京でお仕事をしていたら、会おうと思えばいろんな人と会えてしまいます。でも、あのときの仲間にはなかなか会えない。みんなと再会して、当時よく遊びに行っていたお店とか行きたいです。そういう気持ちに映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』はさせてくれます。

映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』

2018年8月31日(金)公開
原作:「Sunny」CJ E&M CORPORATION
監督・脚本:大根仁
出演:篠原涼子、広瀬すず、板谷由夏、ほか
配給:東宝 PG12

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本