密室で大竹×段田×多部の演技バトル

2018.9.11 07:00

大竹しのぶ、多部未華子、段田安則のエネルギー溢れる芝居が楽しみな『出口なし』

(写真1枚)

密室で初対面の男女3人が挑発するように語り合う、濃密な会話劇『出口なし』。大竹しのぶ、多部未華子、段田安則という贅沢な顔合わせが実現した今作の大阪公演が、9月27日に「サンケイホールブリーゼ」(大阪市北区)で開幕する。

ジャーナリストのガルサン(段田)、郵便局員のイネス(大竹)、年の離れた裕福な夫がいたエステル(多部)の3人は、接点もないのになぜか窓もない一室に集められる。そしてお互いを傷つけるような言葉をぶつけ合いながら、わけありの過去を語り合う。劇作家、小説家としての顔をもつ哲学者ジャン=ポール・サルトルの戯曲ながら、高尚な難しさはなし。まさに「出口なし」の状況に置かれた者たちの滑稽な姿に、親近感をもって惹きつけられるはずだ。

大竹しのぶは今年、満を持してミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』の奔放な大女優・デジレを熱演し、豊富なキャリアならではの貫禄を感じさせた。劇団夢の遊眠社出身の段田安則は、シリアスな芝居はもちろん、『喜劇 有頂天一座』のようなコミカルな演技も得意で、今年初めて年間5本もの舞台出演に臨んでいる。

そんな芝居巧者の2人に立ち向かう多部未華子もまた、20代最後の今年は松尾スズキの『ニンゲン御破算』、ミュージカル『TOP HAT』とジャンルの異なる3本の舞台に挑戦。2011年読売演劇大賞優秀女優賞・杉村春子賞を獲得し、着実に板の上での経験も積んできた彼女は、この舞台でもナチュラルに役に染まり、先輩俳優と渡り合うだろう。

上演台本・演出は良作を発表し続ける小川絵梨子。遠慮なく傷つけ合う男女3人の壮絶なバトルと、驚きの行く末を見届けて。大阪公演は9月27日~30日、チケットは発売中。

文/小野寺亜紀

舞台『出口なし』

日程:2018年9月27日(木)~30日(日)
会場:サンケイホールブリーゼ(大阪市北区梅田2-4-9)
料金:S席8000円、A席6000円
電話:0570-200-888

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