戦後関西の文化を知る、大阪で広告展

2018.9.25 06:00

プレスアルト誌(表紙) 撮影/村上登志彦

(写真4枚)

「大阪府立江之子島文化芸術創造センター」(大阪市西区)で10月2日からおこなわれる『プレスアルト誌と戦後関西の広告』。第2次世界大戦後の関西の広告文化を知る、とても興味深い展覧会となっています。

『プレスアルト』とは、1937年(昭和12)に京都の「ワキヤ書房」店主、脇清吉が創設したプレスアルト研究会発行の広告誌です。この雑誌では、広告印刷物やパッケージ、包装紙などの実物を、その批評を掲載した冊子と共に綴じるという、驚くべき誌面作りがおこなわれていました。広告の実物が見られる訳ですから、これ以上の資料はありません。この雑誌は広告制作者やグラフィックデザイナーたちの必読書となり、20世紀の関西を中心とした広告文化の研究者にとっても欠かせない資料とされています。

早川良雄「サンマーセール」1950年

同誌は、戦前発行分は研究が進んでいますが、戦後発行分は手つかずで、長らく保管庫に眠っていました。本展では、近年整理が進められている大阪新美術館建設準備室の『プレスアルト』誌コレクションより、1950年代から1970年代を中心とした同誌を初めて開梱します。また、大阪府20世紀美術コレクションとサントリーポスターコレクションから選んだ同時代のポスター作品も併せて展示し、未だ評価の途上にある戦後関西の広告デザインの再評価をおこないます。期間は10月13日まで、料金は無料。

文/小吹隆文(美術ライター)

『プレスアルト誌と戦後関西の広告』

期間:2018年10月2日(火)〜13日(土)
時間:11:00〜19:00 ※月曜休
会場:大阪府立江之子島文化芸術創造センター(大阪市西区江之子島2-1-34)
料金:無料
電話:06-6441-8050

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