都心の空き地、三角州がカフェや公園に

2018.9.29 09:00

左・四つ橋筋と右・御堂筋がちょうど交わる交差点にある三角地帯

(写真2枚)

大阪の玄関口のひとつ・南海難波駅。その南西側に空き地だった三角地帯があるのをご存知だろうか。この南海・地下鉄の各難波駅から徒歩5分ほどのスペースを利用した公園「JUNGLE Namba」(大阪市浪速区)が10月にオープンする。

車で国道26号を北上すると、25号に切り替わった直後にあらわれる三叉路。東側は、大阪市の中心・御堂筋を南下する一方通行で、西側は四つ橋筋を北上する一方通行となり、2018年2月までは歩道橋が架かっていた交差点だ。

この2つの筋がちょうど交わる三角地帯にあるのは、水道・電気・ガス・通信などインフラ用の共同溝。「空き地のように見えていましたが、もともと共同溝の出入り口。この7月にその事業が終わり、いまも穴はあるのですが、それ以外を地域活性化のために民間で活用することになった」と事業者である南海不動産の広報担当者は説明する。

国道の上に位置することから、「所有者は国土交通省・近畿地方整備局の大阪国道事務所。そこを大阪市浪速区が道路占用の許可を取り、その許可を弊社が行使しています。道路の真んなかに植栽と飲食店がある。このようなことをするのは日本初の事例ですので、国道事務所の人も随分注目されてるみたいです」という。

整備中の三角州で、奥の囲いが共同溝部。手前の円形は地下鉄へと通じるという。 画像提供:南海不動産/2017年9月頃撮影
整備中の三角州で、奥の囲いが共同溝部。手前の円形は地下鉄へと通じるという。 画像提供:南海不動産/2017年9月頃撮影

新たに整備された三角地帯は公園という位置づけで、その園内にBBQとカフェが登場。「『さまざまな人が集う、都心のアウトドアパークオアシス』というコンセプト。夜はビルのネオンサインなどがすごいキレイなんですよ」と、昼11時(土日祝は朝9時)から夜11時まで営業する。

ただし国道という立地から、設営や運営への条件は厳しいという。「道路上に交番や公衆トイレを作ることはできても、民間で建造物は建てられない。なので、借りるわけではなく、使用許可をとっての利用。地面に穴を掘ってはいけないので、いつでも動かせるトレーラーハウスにし、植栽もブロックを積んでるだけ。また、60デシベル以上は出してはいけないと指導があり、BGMも制限。ステレオの持ち込みもNGです」と苦労を明かした。

一方で、全国でも初となる今回の取り組みに注目が集まれば、「全国にこういった三角州などで国道上の空き地がいっぱいあるので、今後は民間活用していこうという動きがあるようです」と話す。今回、2028年の3月31日までの占用許可を得ているとのこと。「昼間はお子さん連れなどファミリーに、夜はこのあたりで働いている方に来ていただければ」と、単発イベントではなく10月1日のオープンから10年間営業するという。

「JUNGLE Namba」

2018年10月1日(月)オープン
住所:大阪市浪速区難波中1丁目12番地先
営業:11:00〜23:00(土日祝は9:00〜)
電話:070-2328-5770

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