朝ドラヒロインの安藤サクラ「撮影の時間が愛おしすぎる」

2018.10.1 06:00
(写真3枚)

「私自身、人としていい生き物に生まれ変われるのでは」(安藤サクラ)

──いろんな意味でワクワクせずにいられません! 今回演じられる「福ちゃん」こと今井福子は、生来の楽天家で、後にインスタントラーメンを発明する夫に振り回されながらも、やがて夫を引っ張ってゆく強い女性へと成長していきます。ご自身と「福ちゃん」の共通点はありますか?

福ちゃんはとにかく前向きで貧乏とか本来マイナスなこともハッピーなものに変換してゆく力のある女性。私もできているかどうかはわかりませんが、常に同じ時間を過ごすならよりよい時間にしたいと思って生きているので、福ちゃんを演じることでそういう力を共有できたらいいなと思ってます。

──安藤さんはこれまでシリアスな役が多い印象もあったので、天真爛漫な福ちゃんをどのように演じられるのか楽しみです。

確かに、どちらかというと曲がった、まっすぐ立ってない、まっすぐものが見られない女性の役が多くて。福ちゃんほど人間としてまっすぐ立ってる人は演じたことがないので、そういう女性を時間をかけて演じることで、私自身、人としていい生き物に生まれ変われるのではないかと思ってます。

ヒロインについて「福ちゃんほど人間としてまっすぐ立ってる人は演じたことがない」(安藤サクラ)

──共演者の方とはどのように過ごされていますか?

撮影の初日は今井家のシーンから始まったんですが、お母さん役の松坂慶子さんもお姉ちゃん役の内田有紀さんも松下奈緒さんも、みなさん両手を広げてくださってたような印象で、もちろん緊張感はあったんですが、変なものを背負わずに現場に入れました。今井家の女4人のバランスがとっても私は好きで、本当に居心地がいいですね。あと福子の勤務先の先輩役である橋本マナミさんがとっても素敵で大好きです。

──萬平さん役の長谷川博己さんはいかがですか?

長谷川さんとは初めて共演させていただいたんですが、毎回想像とはまったく違うようなお芝居が返ってくるので本当におもしろくて。たまたまスタジオの外で素の長谷川さんを見かけたら、こんなに色っぽいイケメンなんだ!って、そのギャップにいつもびっくりします(笑)。萬平さんはまっすぐでお茶目で、長谷川さんでないと成立しない、見ているだけでニコニコしちゃうような可愛らしい男性ですね。

大阪は「やっぱり東京とはエネルギーとか人との距離感が違う」

──『まんぷく』はヒロインの成長物語であり夫婦愛の物語でもあります。萬平さんは旦那さんに重なる部分がありますか?

2人とも不器用でトンチンカンなところがあるんですが、そんな2人の恋心がうまい具合にくっついて、結婚してからも凸凹しながらもうまく寄り添って、2人で前に進んでいってる感じが微笑ましくって素敵だなと思いますね。うちの夫もこだわりが強くて、なにか自分の好きなことに没頭するタイプなので、そういう部分は似ているかもしれません。萬平さんのがむしゃらさのなかにある不器用さとやさしさみたいなのもわかるし、2人が初めてケンカするシーンは台本を読んでおもわず共感しちゃいました(笑)。

──福田靖さんの脚本はいかがですか?

すごくおもしろいです。登場人物がみんな愛おしいし、なんてことのない会話のなかにも味わいがあって、本当にマンガでもこんなに楽しみに新刊を待ったことがない!というぐらい毎回台本が届くのが楽しみで。先日リハーサルのとき萬平さんが腹を抱えて大笑いしていたので何?と思ったら、台本読みながら爆笑してました。私も毎回笑ったり泣いたりして、自分自身これ以上に演じられるかなとプレッシャーを感じながらも、なんて幸せな作品なんだろうって思ってます。

──『まんぷく』は大阪が舞台の物語で、大阪放送局の制作なので、撮影で大阪に長期滞在されています。大阪の印象を教えていただけますか。

私にとっては、すごく住み心地がいいですね。みんな壁がないし、すぐ手を差し伸べてくださるんですね。先日も子どもを抱っこしてたら雨が降ってきて、傘がなかったので屋根のあるとこまで走ってたら、知らない方が「これ使いな!」って傘を差し出してくださって。スーパーとかお店でもみなさんあたたかく接してくださって、いいなあって。やっぱり東京とはエネルギーとか人との距離感が違うし、福ちゃんという大阪の女の子を演じるうえでもありがたい環境ですね。

NHK連続テレビ小説『まんぷく』

放送:2018年10月1日(月)〜2019年3月30日(土)
出演:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平/桐谷健太、瀬戸康史、片岡愛之助、橋爪功、松坂慶子、ほか

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