大徳寺の非公開エリアで、夜の座禅会

2018.10.3 08:00

午後6時になると、門が開場し受け付けできる

(写真5枚)

臨済宗大徳寺派大本山である「大徳寺」(京都市北区)の塔頭のひとつ「大慈院」で、夜の座禅会が隔週で10月3日開催される。

座禅会を開く京都の寺院は少なくないが、一般に向けて夜に開催するところは希少。『夜空の座禅』は、通常非公開の「大慈院」でおこなわれ、畳でゆったりストレッチや軽い体操を通じて体をほぐしてからスタートする。「姿勢を正して心も正すと思われがちですが、人によっては辛い体勢になることも。体を楽な状態へと導き、呼吸を深くすることで、もっと自然に座禅できるようなります」と、住職の戸田惺山さん。例えば、仰向きになって両足を曲げ、左右に傾ければ、どちらかが曲げにくいなどアンバランスな部分も、ストレッチを通じて微調整していく。

受付後に説明を受けてストレッチ。強ばった体をゆるゆるとほぐしていく
受付後に説明を受けてストレッチ。強ばった体をゆるゆるとほぐしていく

静寂に包まれるなか、縁側に座って日本庭園を前に20分の座禅を2回(冬は堂内で座禅)。「普段の心が波が立っている海だとしたら、坐禅をおこっているときの心は海面も穏やかな凪のよう状態です。ただ、雑念を追い払うのは本当に大変(笑)」と戸田さん。2度目の方が、スーッと自然と神経を集中できるような印象だ。

最後にお菓子とお茶が用意され、参加者で感想を話し合ったり、疑問などを住職に問いかけられる歓談タイムも。参加者は「雑念がどんどんと湧いてきて・・・でも、自分と向き合う時間に」、「暗い部屋だったので居心地良く、顔があまり見えないのもいろいろ話しやすかった」と満足した様子だった。

縁側に並んで座り、坐禅。1回目の際、希望すれば警策で肩を打ってもらえる。冬は本堂内で
縁側に並んで座り、坐禅。1回目の際、希望すれば警策で肩を打ってもらえる。冬は本堂内で

食べる、飲む以外のアクティビティが意外と少ない京都の夜。旅行者に人気が出ること間違いなしだが、座禅は自律神経を整える作用もあると言われ、ストレスフルな毎日を送る地元の人々にもオススメだ。隔週水曜に午後6時半から開催、1回3000円(要予約)。

取材・文/天野準子

『夜空の坐禅』

開催日:2018年10月3日(水)、10月17日(水)、以降隔週隔週水曜(雨天決行、警報発令時は中止)
時間:18:30~20:30
会場:大徳寺大慈院(京都市北区紫野大徳寺町4-1)
料金:3000円(坐禅指導、お茶お菓子代)
電話:075-351-9915(平日のみ応対)

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