現代作家と表具師のコラボ展「九×9」

2018.10.9 06:00

『九×9』展で展示された作品群

(写真2枚)

9人の現代作家の作品を9人の表具師たちが日本の伝統的な美術、掛け軸や屏風に仕立てた展示会『九×9』が、日本庭園「慶沢園」(大阪市天王寺)で開催された。

本イベントは9月4日に開催される予定だったが、台風21号が大阪を直撃したことにより、会場となる「慶沢園」が9月22日まで閉園。しかし、園内の茶室「長生庵」に被害がなかったことから再開される運びとなり、作家や関係者一同、喜びの笑顔を見せた。

展示されている作品は、ダイナミックでカラフルなものから艶やかな色彩に溢れた作品まで、まさに多種多様。現代作家たちが描いた作品を表具師たちが掛け軸や襖、屏風に仕上げていく。現代作家の作品は和紙の種類、特性、作品の魅せ方を知り尽くした一流の表具師たちの腕でさらに魅力的な作品に。

上列右から、カドカワの楞(かど)川耕司氏、紙戸屋・中野表具店の中野泰仁氏、曽我莚治堂の曽我大祐氏、ふすまっくす松岡表具店の松岡康夫氏、下列は現代作家のみなさん(右から、西垣至剛氏、山田裕吉氏、ハタヤママサオ氏、MOYA氏、堀としかず氏、中島麦氏、小澄源太氏)

今回、3つの作品を展示した美術家・中島麦さんは、「作品を仕上げた後は表具師さんに任せました。1枚の紙でしたが、掛軸になり、大胆な遊び心も表現してくれて、素晴らしい作品になった」と、作品づくりの楽しさを語ってくれた。同展は10月6日〜8日の3日間で開催。日本の伝統的な表具の作品だけに、座ったときの目線に合わせた位置で展示された。

取材・文・写真/岡田由佳子

『九×9』展

期間:2018年10月6日(土)~8日(祝・月)
会場:慶沢園内・長生庵(大阪市天王寺区茶臼山町1-108)
料金:無料(慶沢園の入場料別途要)

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