パリを彩ったポスター巨匠、神戸で回顧展

2018.10.18 07:00

《ドップ:清潔な子どもの日》 1954年 ポスター(リトグラフ、紙) パリ市フォネー図書館蔵 ©Annie Charpentier 2018

(写真5枚)

20世紀フランスを代表するポスター作家、レイモン・サヴィニャック(1907~2002)。彼の業績を紹介する回顧展が、10月27日から「兵庫県立美術館」(神戸市中央区)で始まります。

サヴィニャックは夜間学校で工業デザインを学び、広告アニメーションの映画工房などで働きました。26歳のときにポスターの巨匠A.M.カッサンドルに出会い、本格的にポスター作家の道に進みます。1949年に旧知のベルナール・ヴィルモと開催した2人展でロレアル社の創業者ウージェーヌ・シュレールの目に留まり、牛乳石鹸モンサヴォンの広告に採用。1950年代から60年代にかけて名作ポスターを次々に手掛けました。

《フリジェコ:良質の冷蔵庫》 1959年 ポスター(リトグラフ、紙) パリ市フォルネー図書館蔵 ©Annie Charpentier 2018

彼の作品の特徴は、商品に動物や人間のモチーフを組み合わせ、明快な造形と色彩で視覚的なインパクトを与えることです。また、陽気さとユーモア(フランスの作家なので「エスプリ」と言うべきか)に溢れており、見る者をハッピーな気持ちにさせてくれます。

本展では、主要なポスター約90点を中心に、原画、資料、その他の作家による作品を加えた約200点で、サヴィニャックの業績を展観します。出品作品の中には、実際にパリの街角や地下鉄駅の構内に貼り出されていた巨大なポスター(最大で約3メートル×4メートル)も含まれており、当時のパリの雰囲気が味わえるでしょう。

文/小吹隆文(美術ライター)

『サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法』

期間:2018年10月27日(土)~12月24日(休・月)※月曜休(12/24開館)
時間:10:00~18:00(金土曜~20:00)※入場は閉館30分前まで 
会場:兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 HAT神戸内)
料金:一般1300円、大学生900円、70歳以上650円 
電話:078-262-0901

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本