堤真一、舞台俳優として放つ緊迫感

2018.11.2 17:00

舞台『民衆の敵』のイメージビジュアル

(写真2枚)

舞台でも素晴らしいキャリアを重ねてきた堤真一が、「近代演劇の父」と称されるヘンリック・イプセン唯一の社会派ドラマ『民衆の敵』に主演。11月29日開幕の東京公演、12月27日開幕の大阪公演にて、民衆の敵として追い詰められてゆく男の生き様を描き出す。

堤は1990年代にはすでに、デヴィッド・ルヴォーや野田秀樹といった名だたる演出家の舞台に出演。その後も蜷川幸雄、いのうえひでのりらが手がける多くの舞台に出演し、近年はコメディの旗手・福田雄一の作品にも挑戦。安定感がありつつも意表をつく芝居、振り幅の大きさで、常に驚きを与えてくれる存在だ。

そんな彼が2016年に挑んだ舞台『るつぼ』は、実際に起こった魔女狩りを題材に、集団心理の恐ろしさなどを描き切った鮮烈なものだった。堤の役柄の悲劇的な末路に「人間の弱さとは・・・」と、さまざまなことを考えさせられたが、今作は『るつぼ』でタッグを組んだジョナサン・マンビィの演出というだけに、再び濃密な劇空間を期待せずにはいられない。

上段左より堤真一、安蘭けい、谷原章介、中段左より大西礼芳、赤楚衛ニ、外山誠二、下段左より段田安則、大鷹明良、木場勝己
上段左より堤真一、安蘭けい、谷原章介、中段左より大西礼芳、赤楚衛ニ、外山誠二、下段左より段田安則、大鷹明良、木場勝己

物語の舞台はノルウェーの海岸町。町おこしのきっかけとなる温泉の水質が、工場の廃液で汚染されている事実を突き止めた医師トマス(堤)。実兄で市長のペテル(段田安則)に工事を提案するが、莫大な費用を理由に隠ぺいを持ちかけられる。当初トマスを支持していた民衆からも敵と見なされたトマスは、真実に向かって思いがけぬ舵を取る。トマスの妻に安蘭けい、新聞の編集者に谷原章介など、盤石の実力派キャストがそろった。大阪公演は「森ノ宮ピロティホール」(大阪市中央区)にて30日まで。チケットは11月4日発売、全席指定11000円。

文/小野寺亜紀

舞台『民衆の敵』

日程:2018年12月27日(木)~30日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール(大阪市中央区森ノ宮中央1-17-5)
料金:11000円(全席指定)
電話:0570-200-888
チケットは2018年11月4日(日)発売

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