須賀健太、芸歴20年「全てを賭けた作品」
シリーズ累計発行部数3100万部を超える集英社「週刊少年ジャンプ」にて連載中の古舘春一の大人気バレーボール漫画を舞台化した、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」。先月開幕したシリーズ最新作”最強の場所(チーム)”で、物語の主役校である烏野高校排球部のキャストが全員卒業することとなった。
2015年の初演から3年間、シリーズ6作品にわたって主役・日向翔陽役で座長を務めてきたのは、月9ドラマ『人にやさしく』(2002年)の子役で注目を集めた俳優・須賀健太。この3年間の思いと、芸能生活20周年を迎えた今の心境について、話を訊いた。
写真/Ayami
「舞台が終わったときは汗でほぼノーメイク。でもそれすらも僕は自慢に思う」(須賀健太)
──東京・広島・兵庫・大阪・宮城、そして東京凱旋の全国5都市で公演する最新作”最強の場所(チーム)”ですが、東京公演を終えた感想はいかがですか?(取材は東京公演後)
東京で12公演終えたんですけど、本当に大千秋楽くらいの熱量というか。日に日に公演の体感時間が短くなっている感覚で、それだけ濃くなっている実感がありますね。前作の”はじまりの巨人”からもう僕たちは卒業するんだというのがわかっていたので、本番以外も夜ご飯とか気づいたら烏野全員集まってるみたいな生活をしてて(笑)。すごく愛おしいというか、1人1人がこの時間をすごく大切にしてるなと感じています。
──烏野高校のキャストさんの多くは初演から出ていて、作品とともに成長し続けてきたと思います。3年となると相当みなさんと息が合うようになっているのでは?
そうですね。演劇らしく、ということをずっと掲げていて、生らしさを大切にしてきたんですけど、たとえばセリフを間違えたとか、いつもと違うことを誰かがやったときに、それを受け取って対応する姿勢が烏野はすごいというか。何にしても「これは3年続けてきたからだな」と思う瞬間が多いです。パフォーマンスの難易度も作品が重なるごとに上がってきているので、ちょっとしたズレで怪我をしないよう、一公演一公演大切にしたいですね。
──同じ役を3年も演じることってなかなか無いと思うのですが、須賀さんは「日向翔陽」という人物に対してどう向き合ってきましたか?
好きな漫画でずっと読んでいましたし、そのなかでも日向は好きなキャラクターだったので、僕が感じたものをそのまま乗せていけたらと思っていて。日向って試合ごとに全然違う表情をするんですけど、そこはリアルに僕が感じるものとリンクしていたので、ある種のドキュメントじゃないですけど、僕自身の成長も合わせて役に反映するといいなと思ってやってきた3年間でした。そういう意味ではいろんな日向の表情は出せたかな。
──何にもまっすぐで熱い日向は、見てるだけでワクワクするような人物ですよね。
そうですよね。「次は何してくれるんだろう」みたいな人だし、烏野のなかではもちろん、ほかのチームの選手にも刺激を与える存在。そこは僕自身もこのカンパニーで、そういう存在でありたいと常に意識していました。
──2.5Dアンバサダーでもある須賀さんが思う、演劇「ハイキュー!!」の1番の魅力って何だと思いますか?
あまり2.5次元らしくないところかな。原作もそうなんですけど、必殺技や魔法があるわけでもないし、ごく普通の田舎の高校生の成長物語なので、それを舞台化したときに派手にしすぎず、泥臭くやっているというのは持ち味だなと思います。こんなにメイクがない状態で舞台に立つ2.5次元はないんじゃないかな(笑)。試合していると汗でメイクがなくなっちゃうんです。でもそれを直す時間がないくらい舞台に出ずっぱりで、終わったときはほぼノーメイク。でもそれすらも僕は自慢に思っています。
──試合シーンをはじめ、キャストのみなさんは常に動き回っていますもんね。圧倒的な熱量の演技と迫力ある演出で、まるで本当にバレーボールの試合を観戦しているような作品なので、男性にもオススメしたいです。
今回の公演では、客席に男の人が増えてきている感覚があってすごくうれしく感じています。2.5次元舞台がずっと一括りにされていて、原作ファンの若い女性だけをターゲットにしたものと思われているのが僕としてはずっと歯がゆく感じていたところもあるので・・・。
──原作を読んでいなくても、楽しめる舞台ですしね。
そうですね。本当に空間で魅せる演出が多いので、単純に目で見て楽しいというか。僕らとしてはなるべく分かりやすく原作を知らない方でも楽しんでもらえるような道筋を作ろうとやっているので、そこは気にせずに観に来てほしいなと思います。
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"最強の場所(チーム)"
日時:2018年11月15日(木)〜18日(日)
会場:あましんアルカイックホール(尼崎市昭和通2-7-16)
日時:2018年11月23日(祝・金)〜25日(日)
会場:梅田芸術劇場 メインホール(大阪市北区茶屋町19-1)
料金:S席8800円、A席6800円
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