遠藤憲一「極道極道してると受けなかった」

2018.11.17 07:00
(写真9枚)

「今のベストは、ディズニーランド!」(遠藤憲一)

──ところで遠藤さん、ドラマ『白い春』(2009年)あたりからですか、いつしか本当にいいお父さんを結構演じられるようになりましたよね。コマーシャルもそうですし。

そうですね。

──昔は本当にヤバい役ばかりだったのを知っているから、そのあたりのギャップを面白がってる僕らもいるんですけども。でも放送中の『ドロ刑 −警視庁捜査三課−』(日テレ)もそうですが、ちょうど中間点みたいなグッド・バッド・マンな役が続きますね、最近。

この作品も『ドロ刑〜』も中間ちゃあ中間なんですね。でもその「中間」って難しいんですよ。その難しいところを与えてもらえるようにはなったんで、もう一個違う段階に入れるチャンスかなとは思いますね、表現がね。やり過ぎず引き過ぎず、みたいな。

「難しいところを与えてもらえるようになった」と遠藤
「難しいところを与えてもらえるようになった」と遠藤

──これから先、どういう路線でいこうかな、みたいなのはありますか?

エンタテインメントな作品が好きですね、生々しくないやつ。現実では無さそうなものに、演じ手や役者が命注ぎ込んで、架空のものなんだけどあたかもあるかのようなものになるのが一番好きかなぁ。極致はディズニーランドですよ。行っただけで世界が変わってしまう。

──ほお、エンケンランドですか(笑)

キャラクターものを演りたいって意味じゃないですよ(笑)。入った途端に別世界に入っていくような映画が出来ると、見ている人も作り手も本当に楽しいなと思うんですよね。ハマる人はハマるじゃないですか、まるで不思議の国にいるような。例えば『遊戯』シリーズも別世界じゃないですか。

──なんせ殺し屋ですからね。

実際はアウトローなんだけど、見ててスッキリという。その域までいけたらすごいですね。『アウト&アウト』も『ドロ刑』も別世界なものをあたかもあるかのように作り上げているんで、こういうところが今いちばん好きなところですかね。

「エンタテインメントな作品が好き」と話す
「エンタテインメントな作品が好き」と話す

──そう言われればですが、遠藤さんってあまりリアリズムな映画って少ないですよね。

そうですよね。飛び越えすぎてるんだよね、ちょっと(笑)。すっげー刺激に飢えた、イカレた奴を相手に「これ以上ねぇだろ!」って喜ばしてきたんで。もうちょっと押さえた・・・、押さえたっていうとちょっとおかしいな・・・。もうちょっと家族が見て「わー、もう1回行きたい、楽しい」とかを演りたい。だからってホームドラマ的な意味じゃないですよ。まぁ、ちょっと前まではホームドラマが好きだったんですけど、今は架空なもの、架空なエンタテインメント。ベストはディズニーランド!

映画『アウト&アウト』

2018年11月16日(金)公開
監督:きうちかずひろ
出演:遠藤憲一、白鳥玉季、竹中直人、高畑淳子、ほか
配給:ショウゲート

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