パリを愛したドアノーの写真展、京都で

2018.12.19 06:00

ロベール・ドアノー「市役所前のキス」1950年 何必館・京都現代美術館蔵

(写真3枚)

パリの街に暮らす人々をとらえ続けた写真家ロベール・ドアノー(1912−1994)のオリジナルプリントを展示する写真展が、「何必館・京都現代美術館」(京都市東山区)で1月20日まで開催されている。

人々がせわしなく行き交う街で、キスをする男女の時間だけがとまっているようなモノクローム写真『市役所前のキス』で世界的に知られるドアノー。雑誌『VOGUE(ヴォーグ)』や『LIFE(ライフ)』で撮影するほか、82歳でこの世を去る直前までパリの街にある日常の小さなドラマを追い続けた。

ロベール・ドアノー「ピカソのパン」1952年 何必館・京都現代美術館蔵

同展では、ドアノーと交流もあった同館館長・梶川芳友さんの100を超えるコレクションから厳選した約60点のオリジナルプリントを、「子供達」「恋人」「酒場」「街路」「芸術家」の5つのテーマに分けて展示。カメラの存在を消して、パリの街に溶けこんで出会った庶民の暮らしが、一度しかない大切な人生の瞬間として愛情たっぷりに切り取られている。

その姿勢は著名人のポートレートにも貫かれ、「芸術家」のテーマで展示されている『ピカソのパン』も、テーブルに置かれたパンが指の形をなすユーモアとともに、どこか自然体で人間味にあふれるピカソがとらえられている。すべての写真にそそがれるドアノーの人懐っこい視線に、あたたかな気持ちになれる展覧会だ。期間は、1月20日まで、入館料1000円。

取材・文・写真/太田浩子

『ドアノーの愛した街パリ ROBERT DOISNEAU展』

期間:2018年11月1日(木)~2019年1月20日(日)
時間:10:00~18:00 ※月曜休(12/24、1/14開館)、12/28~1/4休館
料金:一般1000円、学生800円
会場:何必館・京都現代美術館(京都市東山区祇園町北側271)
電話:075-525-1311

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