圧倒的な存在感、女優・清原果耶「必死に食らいついていくだけ」

2019.1.19 18:00
(写真5枚)

ある日突然、人生のタイムリミットを告げられたトオル。失意のなか、旧友の龍也との再会と、偶然見つけた「詩」との出逢いによって、生きる勇気をもらったトオルは、全力で恋と向き合おうとする。しかし、ようやく巡り会った運命の少女・凪は、ある秘密を抱えていて・・・。GReeeeNの名曲『愛唄』を映画化した『愛唄 —約束のナクヒト—』。そこで天才詩人・凪を演じるのが、圧倒的な存在感で魅せる16歳・清原果耶だ。そんな彼女に映画評論家・ミルクマン斉藤が話を訊いた。

取材・文/ミルクマン斉藤 写真/木村正史

「役として現場にいるときの距離感を大切に」(清原果耶)

──波瑠さんがヒロインをつとめた朝ドラ『あさが来た』に出演以来、ほとんど追っかけのように拝見しています。あれがドラマ初出演なんですよね?

はい、そうです。

──当時、それを知って「天才出現やん!」と思ったものですが、今回の『愛唄 —約束のナクヒト—』でも天才肌の少女詩人役ですよね。自らの敏感な感受性を、美しい言葉に託す凪という役を演じるのに、どんな演技プランを立てられましたか?

詩を書く女の子が発する言葉のひとつひとつには、どうしても意味が籠ってしまうと私は思っていまして。凪が発する言葉のひとつひとつを自分自身も消化してから相手にぶつける、投げかけるという作業を大切にしました。

「自分自身も消化してから相手にぶつける」と語る清原果耶

──清原さんは「台本読むたびに泣いていた」ということですが、それは凪というキャラクターとの近似性によるものなのか、また別のところに因るものなのでしょうか。

う~ん、そうですね・・・似ているというよりも、私は凪に出会うまで、時間より人生の密度の方が大事だとか、一瞬を大切にする素晴らしさに気付かなければいけないとか、そういうことを深く考える機会がなかったので、大切なことを教えてもらったという感じでしょうか。

──なるほど。

でも、台本全体に心を動かされたというのが一番大きいかな? 毎日、自分の感受性の幅が広くなったり狭くなったりするので、そのたびに「今日はここで感動した」というポイントがたくさん出てきて毎回泣いてしまったというようなことでしょうか。日々の自分の感性に寄り添ってくれるような、そんな距離感を持った脚本だったんだなと最近は思います。

映画『愛唄 —約束のナクヒト—』 © 2018「愛唄」製作委員会

──今回の役柄は年齢も等身大に近いでしょうしね。これまでの清原さんのお仕事は、名だたるベテラン演技者さんのなかで孤軍奮闘していたという印象もあります。なんせデビューからいきなり三宅弘城さんですもん。

『あさが来た』では、三宅さんにたくさん助けていただきました。朝ドラでお芝居にどっぷりハマりだしてから、本当にいろいろな役を経験させていただいて。ただ、私自身はいただいた役にのめりこんで、必死で食らいついていくしかないと思って作品に向き合っているので、実際の年齢とかよりは、役として現場にいるときの距離感とか、そういったものを大切にしたほうが良い作品ができるのかな、と最近は考えているんです。

映画『愛唄 —約束のナクヒト—』

2019年1月25日(金)公開
監督:川村泰祐
出演:横浜流星、清原果耶、飯島寛騎、ほか
配給:東映

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