遺跡の出土品から知る、古代大阪の展覧会

2019.1.19 06:00

「船形埴輪」(国指定重要文化財 古墳時代中期、長原高廻り2号墳出土 文化庁蔵・大阪歴史博物館保管) 全長が128.7cmもあり、8人以上で操船する大型船の姿をリアルに表現

(写真3枚)

大阪市内の大規模な遺跡「長原遺跡」(大阪市平野区)に着目した展覧会が、1月26日より「大阪歴史博物館」(大阪市中央区)でおこなわれる。

大阪の古代遺跡といえば、堺市や羽曳野市の巨大な前方後円墳が有名だが、長原遺跡も大規模なもの。発掘調査は昭和49年(1974)から始まった。その結果、200基を超す規模の古墳群や多彩なモノ作りを行った集落(居住域)の存在が明らかに。本展では墓葬・生活・生産に注目し、約450点の資料で大阪の古墳時代を振りかえる。

「短甲形埴輪と草摺形埴輪」(国指定重要文化財、古墳時代中期、長原高廻り2号墳出土 文化庁蔵・大阪歴史博物館保管) 胴体と腰回りを防御する武具を模したもの

第1章では長原古墳群を特徴づける形象埴輪や円筒埴輪を一堂に展覧。国指定重要文化財に指定されている「船形埴輪」を中心に、近畿地方で出土した主な船形埴輪も展示する。第2章では古墳時代中期から後期(4世紀後半~6世紀)に形成された長原遺跡の全貌を4期に分けて紹介。第3章では古墳群に葬られた人々が暮らした集落跡としての長原遺跡を紹介する。

大阪の歴史は豊臣秀吉が大坂城を築いた近世以降がクローズアップされがちだが、実は古代にも豊かな文化が広がっていた。本展を通してその実相を確認して。期間は3月17日まで、料金は大人1000円。

文/小吹隆文(美術ライター)

『はにわ大行進-長原古墳群と長原遺跡-』

期間:2019年1月26日(土)~3月17日(日)※火曜休
時間:9:30~17:00(金曜~20:00まで)※入館は閉館30分前まで
会場:大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4-1-32)
料金:大人1000円、大高生700円(特別展のみ)
電話:06-6946-5728

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