坂東玉三郎「南座は新しいことができる」

2019.1.22 13:00

南座新開場記念『坂東玉三郎特別公演』をおこなう坂東玉三郎(21日・大阪市内)

(写真2枚)

人間離れした美しさに誰もが魅了される、日本を代表する名女形・坂東玉三郎。「南座」(京都市東山区)の改修後で初となる、恒例の特別舞踊公演に向けて、大阪で会見をおこなった。

十八番の演目のみならず、初挑戦の取り組みも多いのが、玉三郎の南座公演。「実験劇場というわけではないんですけど、お客さまと近い関係を持てることもあり、新しいことをやらせていただきやすい空間ですね。今回は『(壇浦兜軍記)阿古屋』で、音楽をもう少し躍動感があるようにしようか、と思っています」と、新たな試みへの意気込みを見せた。

先の話に出てきた『阿古屋』は、『平家物語』が題材。主役の阿古屋は、琴、三味線、胡弓の三曲を自ら演奏せねばならないなどハードルが高く、演じられる役者が非常に限られた「女形の大役」と言われる作品だ。

演目『阿古屋』では新しいことに挑戦したいと意欲を見せる坂東玉三郎(21日・大阪市内)
演目『阿古屋』では新しいことに挑戦したいと意欲を見せる坂東玉三郎(21日・大阪市内)

「楽器も大変ですが、(登場人物が)みんなほぼ座ったままなので、楽しく観ていただくのが大変。平家が滅んでいくという雰囲気や、悲しい芝居のなかにも華やかさを見せなければいけないですし・・・。若い頃は『何かを表現しなければならないのでは』と思っていましたが、ひたすら(演奏を)やっていれば、お客さまに伝わるものだと理解できるようになりました。その存在の仕方は結構難しいんですけれども、この方が阿古屋には良いんです」と、阿古屋役の難しさと、悟りに近い思いを語った。

このほか、笑いにあふれた『太刀盗人』(玉三郎は出演せず)と、昨年東京で初演されたばかりの新作舞踊『傾城雪吉原』を上演。日程は3月2日~26日で、チケットは一等18000円、二等9000円、三等6000円、特別席20000円(現在発売中)。

取材・文・写真/吉永美和子

『坂東玉三郎特別公演』

日程:2019年3月2日(土)~26日(火)
会場:南座(京都市東山区四条大橋東詰)
料金:一等18000円、二等9000円、三等6000円、特別席20000円
電話:0570-000-489

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