声優界のレジェンド・神谷明「北条司さんと涙ぐんで喜んだ」

2019.2.7 07:00

数々の名キャラクターを演じてきた声優界のレジェンド・神谷明

(写真4枚)

「キャスティングするときに、功労者は外せない」(神谷)

──私も一足先に拝見したんですが、懐かしさと同時に、すごく新しさもある作品になっていて。これはシティーハンターをリアルタイムで知らない若者が見ても、絶対に面白いなと。

まさにそうです。作品に関しては、脚本の加藤陽一さんが、本当に素晴らしい本を書いてくださって。最初の頃の脚本から見せていただいていたんですけど、最終的には19稿まで練り上げてくださって。で、声を吹き込むに当たって映像を見たんですけど、これがまた素晴らしい演出で。最初からぐいぐい引き込むと同時に、なにより緩急の使い方が上手い。脚本の世界を映像で見事に具現化してくれていましたね。

──シティーハンターといえばこれ!冴羽獠といえばこれ!というセリフ、アクション、そしてモッコリが、惜しげもなく詰め込まれていますし、それでいて、息もつかせぬストーリー展開で魅せてくれます。

そう。で、そのとき思ったのが、これは僕も負けていられないぞと(笑)。そういう作品って、絶対ヒットするんですよ。スタジオで画面と向き合ったときに、すごく心地いいプレッシャーを感じるんですよ、肩に。今おっしゃられたように、初めてこの作品をご覧になる方でも充分に楽しんでいただけるし、ファンは泣いちゃうんじゃないかな。

──まさに、「シティーハンター愛」溢れる作品となりましたね。

そうなんです。スタジオに行ったとき、スタッフと20名くらいの若手が迎えてくれたんですけど、まさに「おかえりなさい」という雰囲気で。そのときに「シティーハンター愛」というのをスタッフや出演者のみんなから感じられて、うれしかったですね。

──20年の空白がありましたが、みんなの待望だったんですね、シティーハンターの復活は。

いや、そうなんですよ。打ち上げのとき、若手声優のひとりが、僕と北条さんのところにやってきて、「僕はもちろん、うちの家内がファンで。シティーハンターをやると言ったら、ホントに泣いたんですよ」ってウルウルしてるのを見て、僕と北条さんも涙ぐんでしまいましたから。僕なんかはっきり言って泣いてましたもん(笑)。北条さんに『そんなこと言ってもらえるなんて、ある?』って。あと、まりえちゃんのご両親もシティーハンターのファンで、この映画でヒロインをやると伝えたら誰よりも喜んだって。

──本作のヒロイン・進藤亜衣役の飯豊まりえさんですね。

もう、彼女の演技が素晴らしくて。まず、21歳の感性というんですか、初々しさですよね。それと同時に、彼女自身がもっているかわいらしさが、役の裏側に随所に見えてくる。これもすごくよくて。ご本人は大変不安を抱えて収録に臨んだと聞いていたんですけども、いやいやとんでもないですよ。ホントに素晴らしい演技をありがとう、という感じで。もうスタッフが全員拍手して喜んでます。

かつて端役でシティーハンターを支えた山寺宏一らも出演 © 北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会

──あと、往年のファンにとってなにより喜ばしいのは、山寺宏一さんらの出演です。当時は名前のない役ながら、『シティーハンター』の重要なピースとなっていました。

そうです。キャスティングするときに、功労者は外せないよねという話になりまして。今回の出演者でいうと、山寺宏一さん、茶風林さん、山崎たくみさん、大塚芳忠さん。当時は、AとかBの役で、番組レギュラーとして支えてくれていて。今では業界を背負って立つ存在ですが、出演オファーをしたときに、全員が喜んで帰ってきてくれて。いやぁ、うれしかったですよ。特に山ちゃんはこの大変な役(御国真司)を、忙しいスケジュールのなか頑張ってくれて。そういう意味で、僕らも帰ってきたけど、彼らも帰ってきたわけで。そういう再会を喜び合えたのも、今回の僕のいただいたご褒美ですね。

──それはファンにとっても大きなご褒美であり、公開が楽しみです。

ホント、そうです。あとは自然にクチコミで広がって、作品の良さでたくさんの方に劇場に足を運んでもらえたらうれしいなと。それが今の夢ですね。僕は、初日に映画館に行こうと思っているんです。そこで、ファンの人の反応を見たい。もうスクリーンの逆(客席側)を見てたいくらい。舞台挨拶が2日目からあるもんですから、初日を見た感覚でお客さんと向き合ってお話をしたいと思っています。

衣裳協力/PALSTOCK BUY&SELL

映画『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』

2019年2月8日(金)公開
総監督:こだま兼嗣
出演(声):神谷明、伊倉一恵、飯豊まりえ、山寺宏一、ほか
配給:アニプレックス

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本