10年ぶりの長編、照屋年之監督「やっとチャンスをいただいた」
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「母ちゃんのおかげで書けた脚本」(照屋監督)
──それにしても、「洗骨」というタイトル自体、意欲的で挑戦的ですよね。本質ではあるにしても、「骨を洗う」ってイメージだけだと、結構おどろおどろしいものを感じる人も多いでしょう。
洗骨をリアルに描くのならドキュメントには勝てないと、事前にプロデューサーに言われたんです。もちろん、短編をそのまま膨らませる気もなく、ゼロから作り直そうと悩んだとき、うちの母ちゃんが亡くなって。うちはみんな母ちゃんが好きで、その存在はすごく大きかった。で、母ちゃんがいることでギリギリ保たれてた家族がバラバラになって、でも母ちゃんの亡骸を洗うことでまたくっつく・・・という大枠が最初に生まれたんですね。そこからそれぞれの確執だったり、人間設定を作って・・・という感じでしたね。
──じゃあ監督の、お母さんが亡くなったときの想いも多分に含まれているわけですね。
その通夜は2日間あったので48時間、僕は母ちゃんの横でずっと寝てたんですけど、夜中に2時間おきに線香を付けるために起きて顔を見るじゃないですか。で、まじまじと顔を見て、この人のおかげで今自分がいるんだなぁと。生と死って繰り返されるし、近いものだなと思ったときに、最後の画が浮かんだのかもしれないです。
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──あの、あまりにも美しい、生と死が対面する決まりの画ですね?
あれを撮りたいと思ったんですよ。改めて母ちゃんのことを思い出したときに、この母ちゃんがいるのは、産んでくれたばあちゃんがいる。ばあちゃんがいるのは・・・と、命のリレーみたいなものを考えて。何万年前の遠くの先祖が頑張って生き抜いてきてくれたからこそ、自分がいるんだと思ったら、それがすごくありがたくて、長くひとつに繋がった身体に感じれたんですね。そうしたらラストの剛(筒井道隆)のナレーションみたいな考えがワーッと浮かんで。ですから、本当に母ちゃんのおかげで書けた脚本なんですよね。
──そういう命の繋がりでいいますと、僕は今まで監督を「ゴリ」さんと認識していたわけですけれど、今回の映画で本名が「照屋年之」だと。で、「照屋さん?」と思って初めて調べたんですが(沖縄エンタテインメント界の草分けで重鎮である)照屋林助さんの縁戚さんなんですね!
遠い親戚です。別に正月とかに集まるじゃないんですけど、辿ると親戚みたいですね。僕も全然知らなかったです。
──じゃあ(林助の息子で「りんけんバンド」で沖縄ポップを開拓した)林賢さんも?
林賢さんはよく会います。よく飲んだりとかもしますし。でも、僕も中学高校くらいまで知らなくて、僕の親父にりんけんバンドのライブのときに楽屋に連れて行かれて。「お前遠い親戚だよ」って言われて。あれ~そうなのって。小さいころに見ていたオリオンビールのCMの人たちが親戚なんて。「照屋林」一族なんだと。僕は三男なんで付けてもらえなかったんですけど、長男の名前の頭には林がつきます。林一族なんです。苗字の下に名前頭というのがある、まぁ歴史が古いというか。
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──僕もりんけんバンドやネーネーズを聴いてましたし。そういえば今回のキャメラマンでもある今井孝博さんも・・・。
ああ、そうです。今井さんの長編デビューは『南の島のフリムン』なんです。
──昨日改めて観て気づきました。今や行定勲組や白石和彌組の常連キャメラマンですね。
お互い同じときにスタートを切って、それでまた10年後に長編で会えたことが感慨深いって、クランクアップのときに話しました。子どもたちが全員でお母さんの骨を洗ったあとに拭いて、白いシーツに並べるところを俯瞰で捉える画があるじゃないですか。あれ、僕の大好きなシーンなんですけど、あれ、今井さんがすごく凝ってたんですよ。準備にもすごく時間かけてて。そしたらお見事なシーンになってました。
──あそこまで丁寧に、細かな骨まで綺麗にして全部の骨を並べるという驚き。そしたら全部の骨が骨壺に入るんですね。火葬だと「ここ喉の骨です」とか言われるがまま、いくつかのパーツを拾うだけですものね。
あんだけ場所場所に骨を分けると、デアゴスティーニみたいで。そのまま組み立てられるんじゃねぇかって(笑)。
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