響きも体感、大阪で南アジアの弦楽器展

2019.2.26 06:00

19世紀製作のシタール(インド)国立民族学博物館蔵

(写真5枚)

インドやパキスタンなど南アジアの伝統的な弦楽器を紹介する企画展『旅する楽器─南アジア、弦の響き』が、5月7日まで「国立民族学博物館」(大阪府吹田市)で開催中だ。

7本の演奏弦と12本前後の共鳴弦を持ち、華麗で芳醇な響きを持つ「シタール」、弦が4〜5本しかなく演奏もさほど難しくないが、インド音楽には不可欠のドローン(持続音)を担当する「タンブーラー」、旋律弦とリズム弦・共鳴弦を合わせると20本前後、シタールと並んでポピュラーな「サロード」、南インドの古典音楽を代表する弦楽器で様々なバリエーションを持つ「ヴィーナー」など、南アジアでは多種多彩な弦楽器が演奏されている。

ヴィチトラ・ヴィーナー(パキスタン)国立民族学博物館蔵

本展では約100点の弦楽器を、種類別、演奏法別に分類して展示。西アジアや中央アジアから伝播した弦楽器が南アジアで独自の発展を遂げ、東南アジア、東アジアに伝わっていく過程も明らかにする。また、1877年にインドから日本の皇室に寄贈された弦楽器2点が展示されるのも見逃せない。

しかし、楽器は演奏して初めて音色や魅力が伝わるもの。本展では会期中の3月9日・17日・30日・4月6日にコンサートが開かれる。できればこの日に出かけて、目と耳の両方で南アジアの弦の響きを体感したい。公演時間や参加方法は公式サイトにて。期間は5月7日まで、料金は一般420円。

文/小吹隆文(美術ライター)

『旅する楽器-南アジア、弦の響き』

期間:2019年2月21日(木)~5月7日(火)※水曜休(5/1は開館) 
時間:10:00~17:00 ※入館は16:30まで
会場:国立民族学博物館(大阪府吹田市千里万博公園10-1)
料金:一般420円、大高生250円、中学生以下無料(3/10は無料)
電話:06-6876-2151(代表)

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