恒例の評論家鼎談、洋画・勝手にベスト3
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Netflixオリジナル映画『ROMA/ローマ』
「よくぞあの監督を起用した!という」(斉藤)
斉藤「あ、あれ観た? デビッド・ロウリー監督の『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』。頭おかしいから(笑)。幽霊が出てくるけど、それって白いシーツ被っているだけ。修学旅行の夜か、っていう(笑)。それでいて、完全にテレンス・マリック的なスゴい時空の広がりにまで至る傑作。ま、『A24』っていう『ヘレディタリー/継承』と同じスタジオの作品なんやけど」
田辺「僕は『シュガー・ラッシュ:オンライン』ですかね。完全にディズニーのブラックジョークですよね。映画としては1の方が良かったですけど、続編はよく話題になる『男がいないディズニーヒロイン』みたいなのを揶揄してて面白かったですね」
斉藤「でもちょっと狙いすぎてる感が鼻についたなあ、僕は。まあネタ自体がメタ・フィクション的なシリーズだし、別にいいんだけど」
田辺「主人公のヴァネロペが、自分の居場所を見つけるために別のゲームに入り込むんですね。そこで孤独な女レーサー・シャンクと出会うんですけど、それがガル・ガドットで。そして、ディズニーヒロインたちが『私たちって、王子がいないと何もできないと思われてるよね』という(笑)」
斉藤「完全にセルフパロディなんだよね(笑)」
田辺「ディズニーもここまでやるようになったな!っていう。あれはシビれましたね」
春岡「自社パロディがベースにあるんだけど、『そんなに友だちって本当に必要か?』みたいなテーマになってるのは面白かったよな。あと、弓矢が得意なメリダだけちょっと浮いてて、ディズニーヒロインたちから『あの子だけ違うスタジオなのよ』って言われたり」
斉藤「ピクサーやから(笑)」
田辺「そうそう(笑)。だから、ゲームとかオンラインって設定はあんまりだったんですけど、やっぱり画の質が凄まじいですね」
春岡「トロンでゲームに入るところとか。トロンなんて、あの当時最先端だったのに、ここまでこんな軽くやられるのかっていう」
田辺「ちょっともう観てても、シュガーラッシュにしても、アニメっていうイメージないですよね、完全に」
斉藤「そういう仮想現実としてのゲームものなら、上半期の『レディ・プレイヤー1』が一歩上に行ってる感じがするんだけどね」
田辺「あと、試写で見逃しちゃったんで映画館に行くつもりなんですけど、(サウジアラビア初の女性監督である)ハイファ・アル=マンスール監督の『メアリーの総て』は絶対観ないといけない作品ですよね」
斉藤「そう。ゴシック小説の金字塔『フランケンシュタイン』の作者メアリー・シェリーの伝記映画に、よくぞあの監督を起用した!というプロデューサーを褒めるべきかも」
田辺「素晴らしい。たしか『少女は自転車に乗って』のとき、監督は殺害予告されてますよね」
斉藤「そんなにまでしてあの映画を作った彼女の思想が、ぜんぜん文化的土壌の違う『メアリーの総て』にダイレクトに表れてるのよ。僕、メアリー・シェリーと「フランケンシュタイン」のマニアで、いろんな関連本も読んでるんやけど(笑)、よくぞこの重要だけど些末なエピソードをすくい上げてくれたな、とかいちいち感動したね。ただ前半は彼女の生涯をきっちり伝記的に描いて、それって事実だけど真面目すぎてちょい退屈、って思ってたのよ。それがあの夜(ディオダディ荘の怪奇談義)をきっかけに、すべてが回収されて『フランケンシュタイン』の創造に繋がるという怒涛の流れがたまらん」
※ディオダディ荘の怪奇談義=1816年、スイス・レマン湖畔に詩人バイロン卿が借りていた別荘にメアリー・シェリーら5人の男女が集まり、それぞれが創作した怪奇譚を披露しあった出来事。『フランケンシュタイン』『吸血鬼』は、このときの着想を元に生まれたという。
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春岡「ディオダディ荘の怪奇談義はやっぱり題材として素晴らしい。何回映画になってもいいよ。『メアリーの総て』もやっぱりそこが面白いもん」
斉藤「ケン・ラッセル監督の『ゴシック』(1986年)もそれを描いてたけどさ、『メアリーの総て』は事実に基づいていながら、フェミニズム的な観点での「フランケンシュタイン」の読み方を映像で説き証して、しっかり納得させてしまうのが素晴らしい。監督の意志が強く出てるし、プロデューサーがアフガニスタン人の彼女を連れてきた意味がちゃんと出てるのが最大の驚き。あと、良かったのは『アリー/スター誕生』かな」
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