小文枝師匠への愛、文枝は弟弟子にも師匠

2019.3.17 14:00

桂文枝(左)から「小文枝師匠!」と呼ばれるも、「ギャグですわ、よう楽屋で言うてます」と小文枝(中央)

(写真4枚)

「なんばグランド花月」(大阪市中央区)で3月12日におこなわれた『桂きん枝改メ四代 桂小文枝 襲名披露公演』。兄弟弟子の六代目桂文枝、桂文珍や、50年来の付き合いがあるという三遊亭円楽も駆けつけ、ハレの舞台に花を添えた。

師匠である五代目桂文枝の前名で、27年ぶりに復活した名跡を継いだ小文枝。兄弟子は六代桂文枝、弟弟子は桂文珍で、彼らを三兄弟になぞらえ「しっかり者の長男・三枝(当時)、うっかり次男・きん枝、ちゃっかり三男・文珍」と親しまれてきた。

「出来の悪い弟子でした。稽古でも文珍くんは覚えが早くて、僕はできへんから物差しで叩かれる。それが嫌で、稽古が始まりそうな雰囲気になると表に逃げてました」と内弟子時代を振りかえる小文枝。

「あまり怒らない師匠を唯一怒らせていたのも僕で、『きん枝、いつ辞めてもええねんで』とよく言われていました」と話すが、噺家生活はすでに50年。いまでは先代文枝の孫も弟子に迎え、小きんと名付けた。

小文枝たっての希望で、師匠の命日である3月12日に襲名披露公演を開催。六代目文枝も口上で「この日を迎えられて感動しています」と喜んだ。

さらに文枝は、「僕は師匠がまだ小文枝を名乗っているときに入門しました。だから小文枝と呼び捨てにはできない。今日からは『小文枝師匠』と呼ばせてもらいます」と、会場の笑いをさそった。

取材・文・写真/岩本和子

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本