「洗骨」の映画人・照屋年之に迫る/後篇
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沖縄・粟国島に残る風習と家族の再生を描き、老若男女問わず「笑って、泣ける」と絶賛された映画『洗骨』。メガホンをとったのは、お笑い芸人・ガレッジセールのゴリ。今回、本名の照屋年之名義で監督・脚本を手がけているが、これは決して偶然の産物ではなく、照屋監督の10年にもおよぶ映画作家としての賜物と言えよう。後篇では、春岡勇二、ミルクマン斉藤、田辺ユウキという3人の評論家とともに、映画人・照屋年之に迫った。
「もともと僕、役者を目指してたんです」(照屋監督)
──照屋監督が映画人として心掛けていることってありますか?
照屋監督「結局、当たり前のことですけど、批評をちゃんと受け入れるかどうかだと思います、人の成長というのは。今日はいっぱい褒めてくれましたけど、批評が人を育てる。とはいえ、褒めてくれないとやる気でないです(笑)」
斉藤「それはよく分かる(笑)」
照屋監督「だから、今回は褒めてくれるのが90%だったのは有り難いんですけど、でも、酷評があるのも、自分では分かってるつもりです」
──批判もウェルカム、だと?
照屋監督「もちろん! 僕の至らない部分は、作品を観たら分かるじゃないですか。そういうのを踏まえつつ、いろんな国内外の映画を観て、その瞬間に『くそぉ』と思うわけですよ。『うわぁ、これうまいな』、『こう言わすのか』とか。散々思い知らされて、次の作品に燃えるという」
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斉藤「でも、『洗骨』のプロトタイプである短編『born、bone、墓音。』(2016年)は、それ自体ですでに高い完成度ですよね」
田辺「いや、ホント。抜群によかったですね」
照屋監督「ああ、マジですか! それはうれしい。この『born、bone、墓音。』は短編の映画祭に出すことが目的だったんですね。だけど撮りすぎて、無理矢理25分に編集したんで。だから60分バージョンがあるんです」
斉藤「それは完成してるんですか?」
照屋監督「いえ、完成してないんです。音とか音楽を付けるとなったら、誰が製作費を出すんだってなるんで。だけど、60分バージョンを作りたいんですよ」
斉藤「それはそれでぜひ完成させて欲しいですね。ほかの短編も全部観たんですが、その後に作られた台湾の話も非常によくできていて」
照屋監督「ああ、『選ばれた男』(2017年)ですか」
斉藤「例えば『大阪アジアン映画祭』で上映されても全然おかしくない!」
田辺「面白かった! 異国コメディですよね」
照屋監督「というか、みなさん。僕の短編は何本観られたんですか?」
斉藤「全部観ましたよ。『born、bone、墓音。』『選ばれた男』のほか、『刑事ボギー』(2006年)、『ボギー☆ザ・ヒーロー』(2007年)、『ロクな人生』(2014年)・・・」
田辺「そう。あと、『SNS』(2012年)、『税金サイボーグ・イトマン』(2013年)、それに『やんばるキョ!キョ!キョ!』(2015年)。あれもめちゃくちゃ面白かったですけどね」
照屋監督「えっ、あれも観たんですか?『伝説の家族』(2017年)も?」
田辺「観ました、観ました。お借りした9本は全部観ました」
斉藤「『伝説の家族』、最高よね!」
照屋監督「俺、あれめっちゃ好きなんですよ。あれ面白くないですか?」
斉藤「ああいうシュールなコメディってあんまり類例がないですよ。螢雪次郎・根岸季衣・速水ゆかこのおせっかい家族がもうとにかく頭おかしくて(笑)」
田辺「あの短編は、完全に自主映画なんですか?」
照屋監督「『伝説の家族』と『SNS』が自主映画です。あとは吉本です。もともとは、芸人から映画監督を出したいという狙いがあって」
斉藤「ありましたね、そういう時期が」
──吉本の芸人100人が短編を制作する、『YOSHIMOTO DIRECTOR’S 100〜100人が映画撮りました〜』(2007年)ですね。
照屋監督「最初はそのなかのひとりでした」
田辺「映画を撮りたい、という想いは昔からあったんですか?」
照屋監督「まったくない! だって、出たくてしょうがないですもん。目立ちたくて」
春岡「役者さんをやりたかったの?」
照屋監督「もともと僕、役者を目指してたんです。日本大学(藝術学部映画学科)に入ったんですけど、途中で『お笑いやった方がいいんじゃないの?』って先生に言われて。当時は、芸人さんがお笑いやるわ、ドラマ出るわ、映画出るわ、歌出すわって時代で。あぁ、これはいちばんの理想だと。それで吉本に行ったんですよ」
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