遊園地不況のなか好調のワケ、奈良の生駒山上遊園地

2019.4.4 07:00

春休みのさなか、ファミリーで賑わう園内。20年前に入園料無料化。さらに絶叫系マシーンを撤去して小さな子どもが安心して遊べる遊園地として生まれ変わり、人気が回復した

(写真2枚)

大阪南部のレジャー施設「みさき公園」を運営する南海電鉄が、同公園からの事業撤退を発表。時代の流れとともに関西から遊園地が減少し続けるなか、「生駒山上遊園地」(奈良県生駒市)が3月27日に90周年を迎えた。

標高642mの生駒山山頂付近にある同遊園地。子ども向けのアトラクションが多く、シンボルである高さ30mの「飛行塔」ゴンドラからは、大阪平野が一望できる。

同園の来園者は、戦後の高度経済成長期にピークに達したものの、平成に入り少子化の影響で徐々に減少。近年の大型テーマパーク進出に押されて、近隣の遊園地が消えゆくなか、平成11年には入園料無料に踏み切った。

さらに、平成18年からは絶叫系マシーンを徐々に撤去し、ファミリー向け遊園地として特化。「ファミリー層をターゲットに、2歳~小学校低学年が対象。平成29年度は入場者数・約23万2000人と少しずつ増えてきている」と広報担当者は話す。

90周年の記念式典では、経営主である近畿日本鉄道の西﨑一取締役常務執行役員も、「子どもたちが安心して遊べる身近な遊園地として生まれ変わり、近年は好成績を収めるようになりました」と笑顔を見せた。2019年7月には、園内に玩具販売会社「ボーネルンド」が監修する大型施設がオープンを予定しており、ますます子どもにやさしい施設を目指す。

取材・文・写真/いずみゆか

『生駒山上遊園地』

住所:生駒市菜畑2312-1
営業:2019年3月16日(土)〜12月1日(日)・木曜休
電話:0743-74-2173

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