泉の広場、撤去後はLEDで「水」を表現
梅田の地下街「ホワイティうめだ」(大阪市北区)2期エリアのリニューアルに伴い、噴水の撤去が決定した待ち合わせスポット「泉の広場」。それに伴い、歴史を振り返るパネルが展示されるなど『さよなら泉の広場イベント』が開催されている。
1970年に誕生した「泉の広場」。各駅を結ぶ地下通路や地下街が複雑に連結しており、1日約40万人が訪れる同地下街において、「泉の広場」は待ち合わせスポットとして半世紀以上にわたって親しまれてきた。過去に3度の改装をしており、「地下街は味気ない」という声を受けて天井にシャンデリアが設置された初代は、完成当初は泉へのコイン投げが多く、そこで集まったお金を「赤い羽根共同募金」に寄付していたという。
デザインが時流に適していないとの声が上がり、1981年に改装された2代目は、白を基調としたさわやかなデザインと鏡面加工が施されたステンレスを天井に敷き詰め、広場全体を明るい印象に。そして2002年に完成した現在の3代目は、大理石でできた噴水や床のモザイクタイルもすべて大阪市の姉妹都市・イタリアで制作され、神秘的な雰囲気からゲームになぞらえて「梅田ダンジョンのセーブポイント」という異名も生まれた。
また、「地下街は季節ごとの自然の移り変わりがなく無機質で、広場もただの通り道として認識されがち」(大阪地下街株式会社の担当者)という理由から、ハロウィンやクリスマス、お正月など季節ごとに、大阪らしいド派手な装飾が施され撮影スポットとしても愛されてきた「泉の広場」。
スマートフォンの普及により、待ち合わせの名物スポットが続々と減少しているが、「泉の広場は噴水の撤去後も、人々が集う場所としてリニューアルします」(担当者)と、「泉の広場」という名称はそのままに、フルカラーLED照明とステンレス鏡面仕上げをした枝と葉で、水をイメージした生命の木「WATER TREE」(仮称)を表現。床には水面が揺らめき、季節やイベントに合わせて演出を変えていくという(空間演出はネイキッドが手がける)。
5月5日に泉の広場での最後のイベントがおこなわれ、6日に2期エリア(泉の広場周辺)の全店舗の営業が終了。9日から対象エリアの通路が閉鎖され、11月下旬のリニューアルオープンを目指す。
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