森川葵「あのお芝居は、あの現場だけ」

2019.5.11 20:00
(写真3枚)

「なぜか息が合ってしまうんです(笑)」(森川)

──あれ以上に難しい説明セリフってないですよ(笑)。

実際にギャンブルの場がどうなってるとか分からないから反応も難しいだろうし。でもそれを演るにはいちばん台本の流れを分かってないと演れないじゃないですか。相当読み込んでいますよね。

──いわば彼がストーリーテラー的役割を背負ってますもんね。

そうなんですよ。実は陰で背負っていたはずなのに、映画では新渡戸九という役(報道倶楽部の記者)に・・・「全部セリフ持っていかれちゃったねぇ」って(笑)。

──確かにそのあたりは少し寂しかったですが、今回の映画ではシーズン1で夢子と芽亜里が組んでコテンパンに負かした木渡潤(矢本悠馬)が復活して。森川さんと矢本さんのコンビネーションも最高じゃないですか。

まさか木渡が復活してくるとは思わなかったので、ついつい監督に会った日に、「芽亜里は木渡とはタッグは組まないと思います」って言いました(笑)。言ったんですけど「それじゃ話が進まない」と。

『映画 賭ケグルイ』のワンシーン © 2019 河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・「映画 賭ケグルイ」製作委員会

──でも、組んでみたら手練れの漫才コンビのようなリズムの良さで。

監督は「映画版はもっとカッコ良く撮るつもりだった」と(笑)。シリアスに、というか、もっと「できる2人」みたいな感じで撮ろうと思っていたのに、「こういうつもりじゃなかったんだけどなぁ」なんて監督に言われて(笑)。

──なんか暴走が止まりませんよね。ゲームが盛り上がってくるにつれて、2人の顔面演技の応酬もスゴいことになっていくんですけれども。しかも木渡は精神崩壊までいっちゃう。あの一連のやりとりは監督の演出ですか?

あれは矢本さん発信ですね。上手いし面白い、やっぱりセンスがありますよね。私、矢本さんとはなぜか息が合ってしまうんです(笑)。だから、好きな笑いが同じなんじゃないかなぁ、ってすごい思います。

──今回、映画版では初登場のキャラクターが多いですが、とりわけ森川さんと犬八十夢役の伊藤万理華さんとのカラミが多いですよね。元・乃木坂46の伊藤さんの演技を、実は初めて見たのですが。

私もたぶん初めてですね。台本を読んでいるだけだと名前しか出てないから、男設定なのか女設定なのか分からなくて。でも現場に行ってみたら、初日が確か犬っ八のアジトみたいなところで子分たちと一緒にいたところだったんですけど、すごくかわいい愛せるキャラクターになっていて。万里華ちゃんはもちろん女の子ですけど、あの少年感もすごい良かったですね。

作品ごとに自在に役を演じ分けるカメレオン女優・森川葵

──今回、森川さんはいくつかのシーンかで「アクション」を披露されてます。

監督には「アクションはできません」とシーズン1のときに言ったんです。でも言ってしまったおかげで、「芽亜里にアクション付けました」って(笑)。それにアクションの規模がだんだん大きくなっているんです。

──反生徒会組織・ヴィレッジに捕らわれるシーンでは宙を飛んでましたねぇ。

そうなんです。事前に「ワイヤー使います」とだけ言われてたので、「私、ワイヤー初めてです」という話はしてたんですけど、当日現場に行って、アクション部の方が実際に芽亜里の動きを見せてくれたときにビックリしちゃって。「これをやります」と当日言われても・・・って感じになりました。

──心の準備ってものが要りますもんね。それにかなり放物線を描いてキレイに飛んでる。

本当に結構飛んでるんですよ。落ちていくとき、若干ジェットコースターみたいな気分になるんですよ。下向いてスカート押さえて「イヤ~~~~!」って言いながら落ちなきゃいけないのに、顔が固まっちゃって「ヒッ」となってお芝居にならなくて。でも、納得出来ないから「もう一度お願いします」って何回もやらせてもらって。で、やっとなんとかお見せできる形になりました(笑)。

──ちょっと苦手意識が解消できました?

そうですね。正直、アクションは苦手だからやりたくないと思っていたんですけど、でも、今回ワイヤーだけですけどやってみたら結構楽しくなって。だからやってみないと分からないことはいっぱいあるなぁ、って。もし機会があればアクションにもチャレンジさせていただきたいです。

『映画 賭ケグルイ』

2019年5月3日(金)公開
監督:英勉
出演:浜辺美波、高杉真宙、森川葵ほか
配給:ギャガ

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