水谷豊「やっぱり人間に一番興味がある」
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「神戸はやっぱり絵になる場所が多い」(水谷監督)
──物語の舞台は神倉市という架空の町ですが、実際には神戸でロケがおこなわれていて、画面を見てもそれとわかります。神戸で撮影されたのはどうしてですか?
神戸には若い頃から来ていて、けっこう馴染みがあったんです。19歳のとき、兵庫・六甲山で羊を抱いて写真を撮る、なんて仕事もしてましたし(笑)。妹尾河童さんの原作の映画化で、僕も出演した『少年H』(2013年)も神戸が舞台でしたから、最近の土地勘もありました。神戸はやっぱり絵になる場所が多いです。
──主演のおふたり、主人公の青年を演じられた中山麻聖さんとその親友役の石田法嗣さんはオーディションで選ばれたとのことですが、彼らを選んだ決め手はなんだったのでしょう?
今回、ありがたいことに450人を越す応募をいただいて、まずプロデューサーサイドで絞り込んでいき、残った方に今度はビデオで撮影して、それを観て決めさせてもらいました。つまり、僕はオーディションをしている間は、どなたとも直接お会いしていないんです。というのは、僕も俳優ですから、俳優同士独特の「情」のようなものに囚われるのを避けたかったので。おふたりに演じてもらった役は、表に出ている部分だけでなく、裏にも個性、キャラクターを必要とする役でしたから、それに相応しい人を選ぼうというのはありました。そこで2人を選んだ決め手はなんだったのかというと、これはもう直感です。この2人ならやってくれるだろうという。
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──それが間違っていなかったことは映画を観ればわかります。今回、若い俳優さんたちがとても生き生きと演じられています。もうひとり、刑事を演じた毎熊克哉さんも印象的です。
毎熊くんも面白かったですね。彼は推薦する人が多く、こちらからオファーしました。彼のお芝居は、彼が演じる前に、僕がまず演じて見せたのですが、それを観て「そこまでやっていいんですか」って笑うんです。次に自分がやるんですけどね(笑)。彼の役柄は、作品全体のちょっとした息抜き的な、いわばコメディ・リリーフ的なところなので、実はけっこう難しい役なのですが、彼は懸命にやってくれました。
──そんな若い俳優さんたちの周りを、岸部一徳さんらベテランの方が固められて、とてもいいバランスだったと思います。個人的には檀ふみさんのお芝居に心動かされました。
檀さんとは、若い頃に一緒にお仕事したことがあって、今回、プロデューサーから、檀さんが出演者の候補に挙がっていると聞いて、檀さんとなら一緒にこの作品の世界に入っていけると確信したんです。なので、檀さんの役については、もう第二候補を考えるのをやめました。ぜひとも演じてもらいたかったので。
──仏壇の前で、それまで堪えていた感情が堰を切ったようにあふれ出るシーン、良かったです。あと、ラストシーンの檀さんのお芝居も、いろいろと解釈することができるなと思いました。
そうですね。観てくださった人が、それぞれに解釈してもらえればいいと思います。
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──あと、シーンとして印象的だったのは、監督が演じておられる被害者の父親と、石田さん演じる青年が、もつれあってアパートの2階から落ちるシーン。それを目撃しながら、なにもリアクションしない周囲の人たちを、きちんと捉えているのに驚きました。
そう言ってくださる方も多いのですが、でも、そもそもああいう状況では、あのような感じになるものだと思うんです。それをそのままやっただけですよ。
──そういうことを踏まえてですが、今回、空撮のカットから始まって、檀さんと小林涼子さんが出ているラストシーンは、2人が高台のカフェテラスから町を見おろすようになっています。つまり俯瞰のカットなのですが、監督は人間とか人間の営みとかを冷静に見つめておられることの表れかなと思いました。
僕が俯瞰が好きなんですよ(笑)。なぜ、と言われると分からないけど、カメラマンの会田正裕さんは『TAP』も撮ってもらっているので僕の俯瞰好きを知っていて。だから、なにも言わなくてもそう撮ってくれるんです。ただ、結局はあの上から観る視点というのは、僕ら作り手の視点ではなく、観てくださったお客さまの視点になるわけですから。そう観て欲しいというのが、どこかにあるのかもしれません。
──60代のうちに撮られるもう1本の作品も楽しみにしています。
ありがとうございます。
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